現在MPB界のキーマン、へナート・ブラスが来日
2017年 10月 24日今のMPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)界を支える重要な男性シンガー、へナート・ブラスの来日ツアーが決定した。
サンパウロ出身のへナート・ブラスは1996年、28歳のときにCDデビューを果たし、2002年に新人の登竜門であるシャープ賞を受賞。ユニット作も含めると、これまでに10枚以上の作品を発表している。
自らが血を引く先住民族グアラニー族の音楽から、ムジカ・カイピーラ、ミナスジェライス州に伝わる音楽などをルーツに持ち、ヴィラ・ロボスからアリ・バホーゾ、ドリヴァウ・カイーミなど往年のブラジルの名作曲家たち、ボサノヴァ世代、MPBの音楽家たちからも多大な影響を受けている。多様な顔を持つブラジル音楽の魅力を幅広く吸収、咀嚼しながら、現代のMPBを聴かせる。
2014年にエヂソン・アウヴェス(ギター)、ナイロール・プロヴェッタ(クラリネット)とのトリオで発表した、ジョアン・ジウベルトのトリビュート・アルバム「シレンシオ:トリビュート・ジョアン・ジウベルト」はボサノヴァ・ファンの間でも大きな話題となった。
ヴィニシウス・ジ・モライスのドキュメンタリー映画「ヴィニシウス・ジ・モライス」のサントラ盤では「もしすべてがあなたと同じだったら」を披露している。
国内では、ゼー・へナートをはじめ数々の音楽家たちと交流。ヴォーカリストとしてフィーチュアされることも多い。2015年にはギターの四重奏団、クアルテート・マオガニとの共演作「カネーラ」、2017年にはバイーアの女性歌手ジュサーラ・シウヴェイラとのデュオでガウ・コスタのトリビュート・アルバム「フルッタ・ゴゴイア」を発表。クアルテート・ノーヴォでの活躍でも知られるテオ・ヂ・バホスの最新作「タタングエー」やベテラン・インスト・グループ、パウ・ブラジルの新作「ヴィラ・ロボス・スーペルスター」にもフィーチュアされている。
また、ブラジル国内にとどまらず世界を舞台に活躍しており、2004年にソプラノサックス奏者ポール・ウィンターに招かれアメリカ合衆国でもデビューを果たした。初来日(2008年)も、ポール・ウィンターの公演に同行したものだった。2015年にはポールが主催する合衆国のレーベルから「サウダーヂ」を発表している。
今回のへナート・ブラスの公演は、現在進行形のブラジルのMPBの最前線にふれられるだけでなく、ブラジル音楽とは何かを知りたい人にとっては大いなる示唆を与えてくれるコンサートとなるだろう。
「へナート・ブラス・ジャパンツアー2017」(主催:リヴィング・ミュージック・ジャパン、後援:ブラジル大使館)のスケジュールは下記。問い合わせは各会場へ。
11月23日(祝・木) 20:00~
長野県上田市「NABO Books & Cafe」
https://goo.gl/avdAXS
11月25日(土) 19:00~
京都「Rokujian」
https://goo.gl/mFrsab
11月26日(日)
大阪「chove chuva」
http://www.chovechuva.com/
12月 1日(金) 19:00~
永福町「sonorium」
https://goo.gl/5CLgML
12月 2日(土) 15:00~
武蔵野スイングホール ※SOLD OUT
https://goo.gl/NJdQxX
12月 3日(日) 19:30~
神保町「楽屋」
https://goo.gl/Pm3Bwi
(文/麻生雅人、写真/Sesc/Divulgação)