「天皇皇后両陛下ブラジル初訪問から50周年 永遠の絆を築いて」が閉幕

2017年 11月 12日

ブラジル大使館 天皇皇后両陛下ブラジル初訪問から50周年 永遠の絆を築いて

駐日ブラジル大使館(東京・港区)で9月11日(月)から開催されていた企画展示「天皇皇后両陛下ブラジル初訪問から50周年 永遠の絆を築いて」が11月10日(金)に閉会しました。

同展示は、天皇皇后両陛下(当時の皇太子同妃両殿下)のブラジル初訪問から50周年を記念して、日伯両国の友好と協力関係を讃えることを目的に開催されたもので、両陛下のブラジルご訪問の記録を貴重な写真や映像で紹介しました。

天皇皇后両陛下ブラジル初訪問から50周年 永遠の絆を築いて

以下は同展の展示コメントです。

「1967年(昭和42年)5月22日から28日にかけて、天皇皇后両陛下-当時の皇太子同妃両殿下-は初めてブラジルにご来訪なさいました。ご訪問先はブラジリア(7年前に落成した近代的首都)、サンパウロ(当時も今も日本国外最大の日本人の街)、リオデジャネイロ(1763年から1960年までブラジルの首都)、そしてブラジルと日本の経済協力の伝統的シンボルであるミナスジェライス州イパチンガ市などでした。

両陛下は、建築家オスカー・ニーマイヤーや画家マナブ・マベ、作曲家アタウルフォ・アウヴェスといったブラジルの名士ともお会いになりました。

訪問する先々で、両陛下はブラジル社会が日本と日本人、日本文化に親愛と称賛の念を抱くさまを目にされました。当時、日系ブラジル人の数は60万人(今日では200万人近く)でした。両陛下がお言葉を交わした人々や、ご訪問を見守った群衆は、出身にかかわりなく、今日にいたる両国の特別な縁を理解していました。それは人的な絆であり、日本人がブラジルの多様なナショナル・アイデンティティのなかで果たしてきた大切な役割です。

両陛下は、落成直後のイタマラチ宮(ブラジル外務省庁舎)がお迎えした最初の貴賓としてブラジル外交史に名を残し、パカエンブー・スタジアムを埋め尽くす観衆に応え、あるいはブラジル人の歴史やライフスタイルを知ろうとお努めになりながら、両国のさらなる親交に貢献されました。両国のパートナーシップの将来性に信頼をよせ、人々を融和するブラジルの力を称賛されました。

両陛下はその後1978年(昭和53年)と1997年(平成9年)にもご来泊されましたが、1967年(昭和42年)5月の1週間こそが、ブラジル全土を熱狂させ、ブラジルと日本の永遠の絆をより揺るぎないものにしたのです。

駐日ブラジル大使館は本展をもって、天皇皇后両陛下を讃え、この記念すべきご来泊の成功に携わったすべてのブラジル人と日本人に敬意を表します」

「天皇皇后両陛下ブラジル初訪問から50周年 永遠の絆を築いて」の開催期間中には天皇皇后両陛下や秋篠宮同妃両殿下も駐日ブラジル大使館に来館されて同展をご覧になりました。

最終日となった10日の夜は大使館で閉会式が行われ、ブラジル人歌手のリカ・セカートさんによるコンサートが催されました。

リカ・セカート

(写真・文/麻生雅人)
写真上、1967年発行の記念郵便切手。インターネットもSNSも存在しなかった時代、この切手が当時の皇太子同妃両殿下のご来伯を広く国中に伝えた。切手の額面は当時導入されたばかりの通貨「新クルゼイロ」の10センターヴォ。両殿下のご肖像と、両国のモチーフである、菊のご紋とブラジルの大統領公邸アウヴォラーダ宮の柱がデザインされている