外資系企業幹部、忘年会ではしゃぎ過ぎて解雇!?
2018年 01月 10日年の瀬は忘年会、クリスマスパーティなど、華やいだ場所でにぎやかに楽しむ機会も増える。定番は、その年の話題を振り返ることができるようなモノマネ、仮装などの出し物だろう。
ブラジルでも状況は同じで、パーティでは参加者が手作りのコスチュームをつけて参加し、場を盛り上げることが多い。
そして洋の東西を問わず”やりすぎてしまう人”はいるようで、2017年末、ブラジルのあるパーティで仮装が過ぎてあえなく解雇、という事例が発生したようだ。
グローボ系ニュースサイト「G1」が1月5日づけで伝えたところによると、世界的な法人向けソフトウェア製造販売企業セールスフォースのブラジル法人総責任者が年末の社内パーティでの仮装の後、解雇されたという。
解雇されたのはマウリシオ・プラード氏で、仮装の対象に選んだのは2017年ブラジルのWhatsApp利用者の間で写真がシェアされ続けた「ネガゥン・ド・ワッツアップ(ワッツアップの男)」(以下「ネガゥン」)だった。
「ネガゥン」は引き締まった美しい肉体をもつ黒人の男性で、問題の写真では裸で首に青いタオルをかけたワイルドな姿で立っているものだが、ひときわ目を引いたのが、股間にある約40センチほどの巨大なペニスだった。
そのネガゥンになりきるべく、プラード氏は、上はTシャツ、下半身は三つ又に分かれたタイツを履き、真ん中には長細い詰め物を入れた。そして首から青いタオルをかけてパーティに登場した。
パーティは盛り上がったようだが、参加者がスマホで撮った写真の一枚が、社内システムを通じて米国本社に送られたとのことだ。
「証拠写真」が米国本社に届いたのち、本社はプラード氏に辞職を勧めたが拒否された。そのため、やむなく解雇という決断をしたという。
セールスフォース・ブラジルは「G1」の取材に対し、プラード氏解雇の事実は認めたものの、パーティの仮装に対する懲戒人事とは認めなかった。
一方プラード氏はG1の電話取材の申し込みには答えなかった。
当面、セールスフォース・ブラジルは本社のラテンアメリカエリア担当役員のエンリケ・オルテゴン氏が兼任し、指揮を執ることになった。
セールスフォースは「フォーチュン」誌でも働きたい職場ランキングの上位企業として取り上げられている優良企業。超有名企業であっても比較的インフォーマルな雰囲気が強いと言われるブラジルだが、人が集まる場での「お作法」が存在することを改めて知らしめた事件だった。
ちなみにネガゥンの写真が本物かモンタージュかという検証は、一時般国民の間でも盛り上がりをみせたとのことだ。YouTubeなどでネガゥンの写真について解説をする動画などもあがっている。
(文/原田 侑、写真/Reprodução)