ブラジル人の海外での支出、前年比31%増

2018年 01月 31日

ドバイ空港

2015年9月に1ドル4レアル台に達した記録的レアル安以降、景気・為替相場の回復とともにブラジル人の海外旅行者数も回復してきているようだ。

グローボ系ニュースサイト「G1」が1月26日づけで伝えたところによると、同日、ブラジル中央銀行が2017年中のブラジル人の海外での支出は前年比31%の増加と発表したという。

金額にすると190億米ドル(約2兆1000億円)で2016年の通年の支出額145億米ドル(約1兆6000万円)を大きく上回った。2017年12月だけでも16億米ドル(約1780億円)に上り、前年同月比では16.6%の増加とのことだ。

これは256億米ドル(約2兆8400万円)を記録した2014年に次ぐ金額だ。

2017年の外国での支出が大きく伸びた要因としては、レアルの対ドル為替相場が比較的安定して推移したことが挙げられる。2017年の最高値は1ドル3.28、最安値は3.31だった。

一方2016年の最安値は4.16レアル、最高値は3.24レアルで変動幅が大きかったことがうかがえる。

2017年12月にブラジル中央銀行が発表した、外国人によるブラジルでの支出額は5億米ドル(約555億円)で、前年同月比11%増加したという。

年額にすると2017年は58億米ドル(約6440億円)で前年の60億米ドル(約6660億円)から減少している。

個人海外旅行支出に関してはブラジル全体では出超気味で、外国人のブラジルでの支出からブラジル人の海外での支出を引くと2017年ではマイナス132億米ドル(1兆4600億円)、2014年以来の出超額となった。

(文/原田 侑、写真/麻生雅人)
写真はドバイ空港内のおみやげ物品店。エミレーツ航空が就航しているドバイ空港はサンパウロやリオデジャネイロにもアクセスがある