住友商事、ブラジルの現地企業と動物薬事業を推進
2018年 10月 8日住友商事は、ブラジルの動物薬メーカー、Ourofino(オウロフィーノ)との間で、ブラジル国内における動物薬事業の推進を目的とする戦略的パートナーシップに関する覚書を締結したことを10月5日(金)に発表した。
世界を代表する畜産大国であるブラジルは、飼育頭数では牛は世界最大、豚および鶏もそれぞれ世界第3位、第4位とだいう。
住友商事は、今後世界的な人口の増加やアジア・新興国での生活水準の向上に伴う食肉需要の増加により、ブラジルの畜産輸出国としての重要性がますます高まることが予測されるとしている。
またペット大国でもあるブラジルは、犬の飼育頭数もアメリカ合衆国に次ぐ世界第2位だという。
住友商事によると、現状ブラジルにおける動物薬の市場規模は約1,700億円で、2012年以降では年平均8パーセント超で成長しており、今後も堅調に拡大していくことが見込まれるという。
オウロフィーノは、ブラジルにおける現地系最大の動物薬メーカーであり、高い認知度を誇っている。畜産用・ペット用の医薬品それぞれに幅広い製品ポートフォリオをもち、全世界に製品を輸出するなど、製品製造・販売の両面で競争力を誇っているという。
今後、住友商事は、オウロフィーノへの日本製動物薬の販売や製造技術ライセンスの提供、動物薬用原料の供給などについて協議を行い、同社との協業を通して、ブラジル国内における質の高い動物薬の普及や、日系企業の南米への進出を後押していくという。
住友商事は、2015年に中国の動物薬メーカーであるSinderへ25パーセント出資して以降、ミャンマーにおいてSinder製品の代理店を選定するなど、世界各地で畜産向け動物薬ビジネスを展開しているという。
一方、2017年9月には米国のペット向け動物薬ベンチャー企業であるPiedmontへ、2018年2月には日本のペット用品専門ECサイトを運営するペットゴーに出資するなど、畜産用だけでなく、ペット用動物薬の分野においても事業領域を拡大しているという。
今後も畜産用・ペット用動物薬双方で優れた薬剤を発掘し、国内外の優良なパートナーと共に動物の健康に貢献していきたいとしている。
(文/麻生雅人、写真/Fernando Sette – Comus)
写真はパラー州ベレンでベレン市保健局による狂犬病ワクチン接種キャンペーンでワクチン接種を受ける猫