「私たちは誘拐された」とイスラエルに拿捕された活動家が呼びかけ
2025年 06月 10日
イスラエル海軍は、ガザ地区への人道支援物資を輸送していた船舶「マドリーン号」を拿捕した。同船にはスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんやブラジルのチアーゴ・アーヴィラさんを含む複数の活動家が乗船していた。同船は、現在イスラエルの港に停泊している。活動家たちは誘拐されたと主張し、それぞれの国の政府に救援を求めているが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、彼らは「メディアによる挑発を演出している」と主張している。
フランス人、ドイツ人、ブラジル人、トルコ人、スウェーデン人、スペイン人、オランダ人の活動家12人を乗せたこの船は、人道支援が不足しているガザ地区に対する“イスラエルの封鎖を破る”目的で、6月1日にイタリアを出港した。
日曜の夜、ボートを提供した自由船隊連合(FFC)はソーシャルメディア上で、イスラエル軍に“襲撃された”後、乗組員と連絡が取れなくなったと発表した。
「このビデオをご覧になれば、私たちが国際水域で拿捕され、拉致されたことがわかります」とスウェーデンの活動家グレタ・トゥーンベリさんが事前に録画して、2010年に発足したパレスチナ支援の国際運動「自由船隊連合」が共有していた録画ビデオの中で、語った。
イスラエルは船舶がどこで拿捕されたかは明らかにしていないが、国防省は、船舶がガザ地区からあまり離れていないイスラエル南部の主要商業港アシュドッド港に方向転換したと述べた。
イスラエル外務省は声明で「乗客らは自国に帰国する見込みだ」と述べ、救命胴衣を着けた船の乗船者たちに食料や水が配給されている様子を写した画像も公開した。
イランは、この船舶の拿捕を海賊行為と呼び、最初に非難した国の一つである。一方、トルコは、この攻撃を「国際法の明白な侵犯」とみなした憎むべき攻撃だと批判した。
フランスは、船に乗っていた6人のフランス国民の“速やかなフランスへの帰国”に“便宜を図りたい”と述べた。
援助船はイスラエルの警告を無視して、エジプト沿岸に到着した後、日曜日にガザ地区に接近した。ソーシャルネットワーク「X」(旧Twitter)では、活動家たちは各国政府に対し、自分たちの保護を訴えた。
グレタ・トゥーンベリさんのほかに、この船には、パレスチナ系フランス人の欧州議会議員リマ・ハッサンさんも乗っていた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は月曜日、「グレタ・トゥーンベリとその他の者たちは、彼ら自身の宣伝だけを目的としてメディアでの挑発をしようとしている」と非難した。
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は「イスラエル国は、いかなる者もガザの海上封鎖を破ることを許さない。封鎖の主な目的は、我々を人質にとってまま、戦争犯罪を犯す殺人テロ組織ハマスへの武器の移転を阻止することである」と強調した。
イスラエルによる封鎖により、何百万人もの人々に必需品が届かなくなっている中、ガザ市区の人々は人道支援をますます切実に求めている。
援助物資配給センターの近くで攻撃が発生するケースが増えており、パレスチナ人がこれらの場所に向かうのを断念せている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)