サンパウロで大麻合法化を求めるデモ行進。マルセロD2も参加

2025年 06月 15日

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ブラジル、サンパウロ市、6月14日。パウリスタ通りで行われた大麻合法化を求めるデモ行進(写真/Paulo Pinto/Agência Brasil)

「第17回大麻の行進」が、今週土曜日(14日)、サンパウロ市(ブラジル)のパウリスタ通りで実行された。「緊迫した状況」をモットーに掲げたこのデモ行進は、大麻使用の抑圧に反対し、大麻の合法化を求め、自由、権利、賠償という3つの視点にフォーカスを当てている。

デモ参加者の中にはラッパーのマルセロD2(マルセロデードイス)や土地なし農業労働者運動(MST)の代表者の顔もあった。

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ブラジル、サンパウロ市、6月14日。パウリスタ通りで行われた大麻合法化を求めるデモ行進(写真/Paulo Pinto/Agência Brasil)

MSTサンパウロ支部のルシアーノ・カルヴァーリョ代表にとって、この行進はMSTの活動の動機と一致しているという

「このデモ行進は非常に大規模で、差別や偏見に反対する若者たちが多く参加しています。そこで私たちは提案しました。『なぜこれらの問題を共に訴えないのか?』と。抑圧的な国家に対し、自然破壊に加担する大土地所有者に対し、偏見に対し、私たちは旗を掲げます」(ルシアーノ・カルヴァーリョ代表)

マルセロD2にとって、マリファナが未だに合法化されていないことは、もはやディストピアだという。彼はまた、このデモ行進の社会的役割についても強調している。

「俺が思うに、(このデモ行進は)一種のコミュニティー・ミーティングなんだよ。この場にいることは、とても重要なんだ、わかる? 2025年の時点で、マリファナの合法化を求め、暴力を終わらせるためにデモ行進をしなければならないってこと自体、ほとんどディストピアだよね。南米のほぼ全域で合法なのに、俺たちは、(それを)違法とする環境に身を置いているけど」(マルセロD2)

大麻は大きな薬効を持っており、不安などのメンタル上の健康問題を助ける可能性がある。(先住民族)トゥピナンバ族出身のベコイさん(41)は、大麻に含まれるオイルが、深刻なメンタル上の問題を解決したと語った。

「私は32歳まで、性的虐待を受けていました。私は虐待を受け続けていましたが、それがどういうことか、私にはわからなかったのです。私の人生は暴力の中にどっぷり浸かっていたのです。大麻のおかげで、私は生きていくことができました。だから、私は今日ここ(デモ行進)にいるのです。合法化を求めるために。この植物で命を守りましょう。この植物は命を救います」(ベコイさん)

デモ行進が掲げる3つのテーマは以下を意味している。「自由」は、組織からの抑圧を受けることなく大麻を自由に使用できることを意味する。「権利」は、大麻が法律によって合法化されることを指す。そして「賠償」は、麻薬密売の口実で不当に告発された人々に対して、公正な司法の必要性を訴えている。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)