参加国大統領らがメルコスールの貿易関税を緩和へ

2025年 07月 1日

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メルコスール対外共通関税の例外品目拡大の決議は7月2日、3日にブエノスアイレスで行われる会議で署名される見通し(写真/Marcos Oliveira/Agência Senado)

アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビアからなる南米南部共同市場(メルコスール)の首脳会議は来週、対外共通関税(TEC)の例外リストの品目を50品目拡大する決定を確認する予定。

TECは、メルコスールが、域内諸国間の貿易を刺激・促進する目的で、他市場からの輸入品に導入した共通関税。メルコスール創設当初、1990年代半ばから施行されている。

今回の新たな例外の協定により、各国の都合に応じてTEC料金が緩和される可能性のある製品の関税コードの数が100から150に増加する。

これは、7月2日と3日にブエノスアイレスで開催される域内代表会議で署名される主要決議の一つとなる。現在進行中の交渉によれば、リストの拡大は一時的なもので、2028年まで有効となるとのこと。

同会議にはルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領が出席する。同大統領は、ハビエル・ミレイ大統領率いるアルゼンチンが前期のメルコスールの調整役を務めた後、メルコスールの暫定議長に就任する。ルーラ大統領は来週の水曜日(2日)にアルゼンチンを訪問し、南米の大統領らと会談した翌日にブラジルに帰国する予定。

「この承認はアルゼンチンの要請に対するブラジル政府の譲歩を表わしていますが、国際貿易における関税問題の世界的な状況にあるていど影響を受けています。そしてアルゼンチンは増額を要請しました。私たちが提案するいくつかのパラメータに基づいて、この決議は次回の首脳会談で署名さるでしょう」とブラジル外務省南米・カリブ局のジゼーラ・パドヴァン大使は述べた。

アルゼンチンは製品制限なしでリストを拡大することを提案しているが、ブラジル政府は、これらの例外を定義するための基準を提供する決議を仲介した。しかし、詳細については首脳会談中に明らかになる。

TECをよりフレキシブルにする可能性については、前期にこの措置に向けて取り組んできたミレイ政権からの要求だった。例外リストの拡大は、首脳会談に先立ち、4月に行われたメルコスール外相会合ですでに発表されていたが、これはドナルド・トランプ米大統領が開始した貿易関税戦争のさなかの措置だった。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)