ルーラ大統領、経済相互主義法による報復対応に言及
2025年 07月 11日
ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領は今週水曜日(7月9日)、ドナルド・トランプ米国大統領が米国に輸出されるすべてのブラジル製品に50%の関税を課す決定を下したことに対する可能な対応策として、経済相互主義法に言及した。現地メディア「G1」が伝えている。
4月にルーラ大統領によって署名され成立した経済相互主義法は、対外貿易報復措置に対する対抗措置を規定している。法案の成立当時、議会と政府においてこの法律は全会一致で承認されたという。
関税についてのトランプ大統領の発表は、ブラジル国内および世界中の専門家から驚きをもって迎えられた。
「事実として、この決定には政治的な偏りがある」と、アレシャンドリ・シュワルツマン元ブラジル中央銀行総裁は述べた。ノーベル賞受賞経済学者のポール・クルーグマン氏は、この課税を「悪質で誇大妄想的」だと評した。
ブラジルの産業界や農業団体は発表に懸念を示し、関税が雇用を脅かすと述べた。
ルーラ大統領はトランプ大統領の書簡がソーシャルメディアで公開されたことを受け、公式声明で「ブラジルは独立した機関を持つ主権国家であり、いかなる者にも支配されることを受け入れない」と述べた。
現在、ブラジルは特定の国に対する差別的な関税を禁止する世界貿易機関(WTO)のルールに準じて外交を行っている。
ルーラ大統領は7月10日のTVヘコール局とのインタビューで、連邦政府は世界貿易機関(WTO)に正式に苦情を申し立て、ドナルド・トランプ大統領が昨日発表した米国への商用製品の輸出に対する50%の関税を撤回するよう努めると述べた。
しかし、これが実現しなかった場合、ブラジルは相応の報復措置を取るだろうと語った。
経済相互主義法に関する「G1」による解説は以下。
この法律は、ブラジルに対し貿易、法的、または政治的障壁を課す国または経済圏に対して、ブラジル政府が報復措置を講じることを認めている。報復措置には以下が含まれる。
*物品およびサービスの輸入に対する課徴金
*商業契約または義務の停止
例外的なケースでは、ロイヤルティの支払いや特許の承認などの知的財産権の停止が発生する。
この新法は、二国間協定や地域協定(メルコスールなど)などの例外を除き、加盟国がすべての貿易相手国を平等に扱うことを求めるWTOの「最恵国待遇」原則を、正当な理由があれば執行機関に停止する権限を与えている。
これにより、ブラジルは、WTOの一般的な規則に反する場合でも、制裁措置や有害な貿易慣行を採用する国に対して、特定の関税を適用できるようになるという。
(文/麻生雅人)