ロボットW杯「ロボカップ2025」、ブラジル・サウヴァドール市で開催

2025年 07月 21日

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ロボカップ2025のマスコットキャラクター(画像提供/Arte RooCup/Divulgação)

ロボット工学・人工知能世界選手権(ロボカップ)、通称「ロボットワールドカップ」がブラジルサウヴァドール市で開催された。7月15日に開幕した大会は20日まで競技が行われた。イベントは21日まで開催される。現地メディア「G1」、産業社会支援機構(Sesi)などが報じている。

1997年から続くこの大会は、ブラジルで開催されるのは今回で2回目。2014年にジョアンペソア市で開催されている。

「この選手権では、世界最先端の人工知能とロボット工学が競い合います。ロボット工学は幅広い分野を網羅しており、電気、機械、コンピュータサイエンス、物理学、数学といったあらゆる工学分野が網羅されています」と、ロボカップ・ブラジルのヘイナウド・ビアンキ副会長は述べた。

このイベントには40カ国から2,000人以上の選手が参加しており、うちブラジルからは200人が参加して、45チームが結成されている。オランダのアイントホーフェンで開催された前回大会(2024年)と比べ20%増となっている。

「これは、ブラジル人のテクノロジーへの関心が高まっていること、そしてブラジルがロボット工学と人工知能の分野で世界的大国としての地位をますます確立しつつあることを示しています」とロボカップ・ブラジルのマルコス・シモンエス会長は強調した。

ブラジルに次いで、チーム数が多い国は、ドイツ(26)、中国(17)、日本、メキシコ(それぞれ15)となっている。

日本からは電気通信大学や九州大学の学生らで構成されたチーム「Tachyon」、福岡県立宗像高校の電気物理部によるチーム「Munako-Aegis」、立命館守山中学校・高等学校Sci-Tech部 情報工学班によるチーム「AIR」などが参加権を得ている。

ヒューマノイド型と非ヒューマノイド型合わせて800台以上のロボットが大会に参加している。

ブラジルからは産業社会支援機構(Sesi)の学生で構成された6チームが4つのカテゴリーで参加して、いくつかの賞を受賞した。

サンパウロ州オルトランジア市の産業社会支援機構(Sesi)学生チーム「オルトボット」は人間と人工知能の対決を描いた演劇で注目を集め、パフォーマンス部門で1位、ポスター発表部門で2位を獲得した。

「学校にある材料を使いました。ロボットはすべて木でできており、背景は段ボール製です。材料を再利用することで、持続可能性と経済性を実現しました」と、チアゴ・グレゴリオさん(16)は説明した。

競技は部門別で行われた。ブラジルは15競技に出場しており、特にサッカーを「プレーする」ロボットに力を入れていた。

飛行ロボット部門では、ドローンが人間の制御なしに自律的に動作し、危険な環境でのミッションをシミュレーションし、救急キットの配達、検査、アクセスが困難な場所での被害者の捜索などの活動を行うことを提案した。

同部門には合計4チームが出場し、そのうち3チームがブラジルチームで、ライバルとなるのはオーストラリアチームだった。

(文/麻生雅人)