早く言いたい!? “日系ブラジル人あるある”

2014年 10月 27日

炊飯器

写真/炊飯器売り場。柄物を好むのはおばちゃん達とみた/ken_c_lo

ブラジル版ハフィントンポスト、ブラジルポストに10月18日に掲載されたコラムが、日系ブラジル人の間で話題になっている。

そのコラムのタイトルは、「日本人の祖父母を持つ人だけが理解できる16の事」。いわば、 “日系ブラジル人あるある”だ。

日本からブラジルへやって来た移民の子孫として育った日系ブラジル人は、他のブラジル人たちとはかなり違う幼少期を過ごしていると、記事には書かれている。

「ohayo」「konichiwa」「itadakimasu」など簡単な日本語の表現は、子供の頃から実際に使っていた人が多いという。

コラムで紹介されている16の事柄では、生け花の話題、漢字が書かれた飾り、独自の言葉づかい、不思議な食べ物などについて、記されている。

日本人の我々にとっては日本ではごく普通のことだったり、ちょっとこれはひと昔前のことじゃない? と思ったりする内容もあるのだが、日系ブラジル人にとっては、思わず「懐かしい!」「分かる分かるー!」と笑ってしまう “あるあるネタ” のようだ。

1. 「もちもちしていて味が付いていない白いご飯」
ストロガノフ、フェジョアーダ、ボボ・ヂ・カマラォン…このご飯と一緒なら、そんな料理も美味しくなる。

2. 「花柄の炊飯ジャー」
レトロな花柄タイプが、日系ブラジル人にとっての炊飯ジャーなのだそう。

ちなみに現在も発売されている。デザインによっては花柄の炊飯ジャーやポット(魔法瓶)は、今やレトロ・ショップの人気アイテムになっているようです。

3. 「カラオケ」
日系人の家にはほとんどあるというカラオケマシン。休日は歌わなきゃ始まらない!?

4. 「歌姫、といえばテレサ・テン」
ビヨンセって誰? おじいちゃんたちのアイドルは彼女だけ!

5. 「置き物」
細かい細工が施された綺麗な置き物や飾りつけなどがあちこちに。

6. 「折り鶴」
必ず家にある。

7. 「バチャネース(batianês)」
おじいちゃんおばあちゃんがポルトガル語に混ぜて話す日本語のこと。日系ブラジル人は「ベンジョ(=トイレ)」「クビカザリ(=ネックレス)」などのバチャネースを聞いて育つのだとか。

8. 「MOTAINAI!」
今ではおなじみの「モッタイナイ」精神も、幼少期からよく聞く言葉。食べ物を残すと必ず耳にする言葉。

9. 「飴玉」
日本の飴は硬い。ブラジルのソフトなタイプに慣れている人は、飲み込んで窒息しないよう注意が必要。

10. 「字幕なしのVHS」
おばあちゃんが持っている「トトロ」や「スーパー戦隊シリーズ」などのビデオ。単語は分からなくても、大好きな人が多い。

11. 「日本語のドラマやテレビ番組」
録画したベータマックスやVHS、VCD、DVDがあちこちに。

12. 「まごの手」
一家に一台!? おじいちゃんおばあちゃんの必需品。

13. 「サンパウロ新聞」
新聞といえばこれ。

「サンパウロ新聞」はブラジルで発行されている邦字新聞のひとつ。創刊は1946年(昭和21年)10月12日。翌1947年1月1日には「パウリスタ新聞」が創刊。1949年には「日伯新聞」が創刊(「パウリスタ新聞」から枝分かれして生まれたのだそう)したが、1998年に「パウリスタ新聞」と「日伯新聞」が合併して「ニッケイ新聞」が誕生している。

14.「そろばん」
電卓は使いません。

15. 「NHK」
ブラジルで見られる唯一の日本のテレビチャンネル。年末は紅白歌合戦!

16. 「ご馳走」
来客がある時などは、食卓をご馳走で埋め尽くのが、日本流 “おもてなし”。

このほかに、日本人のお家には、必ず天皇陛下の写真が飾ってあったよ、という話も聞くことができた。筆者が職場で一緒に働いている日系ブラジル人たちも、自身の子供の頃を思い出して、懐かしそうに笑っていた。日系ブラジル人ならではのあるあるネタで一緒に盛り上がることができて、とても面白かった。

(文/柳田あや、写真/ken_c_lo)