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2013年 08月 15日 00:14
ブラジルのスーパーマーケットでよく見かけるもののひとつに、インスタントラーメン(即席めん)があります。商品には「Lámen」と記されているので、ブラジルではそのまま「ラーメン」と呼ばれています。
頭文字が「L」なのは、ラーメンという読み方ありきの当て字だったからでしょう。英語のようにRámenと書くと、ブラジル語の発音では「ハーメン」と読まれてしまいます。
とにかく、日本語がそのままポルトガル語化しちゃうほどラーメンはブラジルで浸透しているわけですが、実はブラジルは、即席めん市場で世界10位(2012年)、約23.2億食を誇るインスタントラーメン大国なのです(世界ラーメン協会(WWW)の推定発表による)。
ブラジルにおける即席めんのシェアのトップ(約6割とのこと)は、味の素と日清食品ホールディングスによる合弁会社、日清味の素アリメントス社です。
日清味の素アリメントス社はすでにサンパウロ州イビウナに工場を持っていますが、近年、北東部ペルナンブッコ州にも新工場をつくり、2012年11月から稼働させています。北東部の成長は著しく、2011年には前年比で10%以上成長、今や国内最大の即席めん市場なのだそうです。
味の素株式会社によると、ブラジル全体で、今後も年率5%の伸び率で成長が予想されているそうです。
<現地化するブラジルの即席めん>
ブラジルでの即席めんの主流は袋入りめんですが、カップめんも人気が高くなっているようです。カップヌードルも近年、パッケージを一新しました。
味は、完全にブラジル現地バージョン。上の写真はCostela com Molho de Churrascoコステーラ・コン・モーリョ・ヂ・シュハスコ(スペアリブのシュハスコ・ソースぞえ)味と、Camarãoカマラォン(エビ)味。
日本でもエビ味即席めんは近年になって市民権を得始めてきたばかりのニューカマー。流石、シーフードも牛肉料理も豊富なブラジルです。食べてみたところ、エビ味のカップヌードルはスープにとろみがあります。これはBobó de Camarão ボボー・ヂ・カマラォンなど、カレーに似たルー状のとろみのあるスープで食べるブラジルのエビ料理に近い感覚なのかも。
ブラジル現地版カップヌードルは日本へのお土産としても人気があるのか、グアルーリョス空港(サンパウロ)内のジューススタンドでも販売されています。
しかし、一般的に市場に出回っているのは袋めん。やっぱり味は現地に合わせています。
著者紹介
ブラジル関連催事企画広告監修、イベントコーディネーター。ブラジル文化紹介の文筆。2001年以来、年に数回渡伯してブラジル各地の食文化、トレンド、伝統芸能などを調査。 カシャッサ・カウンシル・ジャパン主任研究員。Mega Brasil編集長。 ●イベントコーディネート「第一回カシャッサ・カクテル・グランプリ」(主催:在日ブラジル商業会議所、2017年7月)、「カシャッサの日を祝う会」(主催:カシャッサ・カウンシル・ジャパン、17年9月)、「第二回カシャッサ・カクテル・グランプリ」(主催:在日ブラジル商業会議所、18年7月)、「第三回ブラジル食品展示会」(主催:駐日ブラジル大使館、18年9月) ●講演「第一回ブラジル食品展示会」(駐日ブラジル大使館 16年2月)、「第二回ブラジル食品展示会」(駐日ブラジル大使館 16年8月)、「ブラジルはなぜカラフルなのか」(パナソニックセンター、16年8月)、「カラフルでおいしいブラジル」(LunchTripブラジル便 16年10月)、「ブラジル食品飲料市場の最前事情 国内地方産物への注目とQOL志向の高まり」(日本ブラジル中央協会 17年1月27日)、「食材の宝庫ブラジルから届いた、未知の味とスーパーフードによるメニュー提案」(第6回 喫茶・カフェショー 18年)ほか。 ●編著「A Boa Vida」(三越伊勢丹ホールディングス)、「A Boa Vida 2015」(三越伊勢丹ホールディングス、※サイトのみ)、「ブラジルカルチャー図鑑(共同編集:山本綾子)」(スペースシャワー・ブックス)、「ブラジリアン・ミュージック」「サンバ」(以上シンコー・ミュージック)。 ●執筆「るるぶ ブラジル・アルゼンチン」、「アウテルナチーヴァ」ほか。 ●出演「ボサノバ最高の詩人モラエス」(NHK-FM 13年11月)、「日曜喫茶室」(NHK-FM 14年5月)、「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ 14年6月)、「ブラジルまるかじり紀行」(NHK-FM 14年6月)、「ブラジルまるかじり紀行2」(NHK-FM 15年6月)、「今日は1日ブラジルまるかじり三昧」(NHK-FM 16年7月)、「ノンストップ」~<そもそもシュラスコとは何?>(フジテレビ 16年8月)など。 ● 最新刊「おいしいブラジル」(スペースシャワー・ブックス、16年)