サンパウロ市に路上生活者のための図書館オープン
2025年 08月 3日
サンパウロ市に、路上生活者を対象としたコミュニティ図書館が新設された。同図書館は、8月1日(金)から運営が開始され、ジュリオ・ランセロッチ神父の主導により、市の東部モオカ地区サプカイア通り36番にある「貧者の聖ドゥルシ」センター内に設置された。
「ヴィウマ・ランセロッチ図書館」では、蔵書だけでなく、コンピューターの利用、各種書類の発行支援、就職活動のサポートなどのサービスも提供さている。
「ジュリオ神父によるこの取り組みは、極めて重要な行動です。文学はすべての人に与えられる権利です。使命感を持った司書がいる図書館は、多くの命を救い、人生をより良い方向へと変える力を持っています」と、4歳から11歳まで路上で生活していた経験を持つ作家ルシエーニ・ムレール氏は語った。
サンパウロ市大司教区のオヂロ・ペドロ・シェレール枢機卿の臨席のもとで開館したこの図書館には、寄贈された8,000冊の蔵書があり、すべてが6名のボランティア司書によって分類・整理されている。
施設では、蔵書の管理と運営に、国立図書館でも使用されているソフィア図書館管理システムが導入されている。
またこの施設は、路上生活者に限らず、サービスを利用したいすべての人々に開かれている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)