アダジ財務相、ブラジルは“より民主的”であるがゆえに制裁を受けていると発言
2025年 08月 14日
ブラジル連邦政府は8月13日(水)、アメリカ合衆国による50%の関税爆弾の影響を受けた国内の生産部門を支援するための包括的な救済策を発表した。この支援策では、「暫定措置:主権あるブラジル」と呼ばれる暫定措置を通じて実施される。
プラナウト宮で行われた発表の場でフェルナンド・アダジ財務相は、「ブラジルは、制裁者よりも民主的であるがゆえに」制裁を受けていると述べた。
「われわれは非常に異例な状況に置かれています。ブラジルは、制裁者よりも民主的であるがゆえに制裁を受けている国です。これは世界でも前例のない、極めて稀な事態です。政敵を迫害せず、報道機関を迫害せず、法定代理人を迫害せず、大学を迫害せず、合法・非合法を問わず移民を追い立てることもしない国が、政治的にも経済的にも正当化しがたい報復の対象となっています」(フェルナンド・アダジ大臣)
「われわれはこれまでもこの国で、幾多もの困難を乗り越えてきました。そして今回も、外部から押し付けられたこの新たな困難を乗り越えていくつもりです。ただ残念なことに、ブラジル社会の一部の過激な勢力が、この困難に加担しているです」と、同大臣はイベントで述べた。
ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領によると、今回の支援策では中小企業と生鮮食品の輸出業者が優先されるとのこと。
「われわれは、ほうれん草、果物、蜂蜜などを輸出している小規模な企業を支援することを考えています。機械類を扱う企業も含まれます。大企業はより高い耐性を持っていますから。明日、暫定措置を承認する予定です。これは、トランプ大統領による課税によって誰一人取り残されることはないというメッセージを示すうえで重要な事案になると思います」と、大統領は火曜日にBand News局のインタビューで語った。
この支援策は雇用の維持に加え、影響を受けた業種向けの代替市場の開拓を目指すことにあるという。
「これらの企業で働く労働者を守り、これらの企業のために代替市場を見つけ出します。私たちは、これまでアメリカ合衆国に輸出していた企業のリストを他国に送っています。なぜなら、われわれには『誰も、誰の手も離さない』という信念があるからです」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
今回の支援措置は、財政枠組みの支出上限を超えた緊急事態に対応するための「臨時予算措置」という形で予算に組み込まれる。この制度は、昨年リオグランジドスウ州で発生した洪水被害者の救済に活用された実績がある。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)