ブラジルは2024年にアルミ缶の97.3%をリサイクル
2025年 08月 15日
リオデジャネイロのマラカナン・スタジアムでは、試合がある日、スタジアムの手荷物検査所の直前で、数え切れないほどのサポーターたちが缶入りのビールや炭酸飲料を飲み干す姿がよく見られる。これらの缶入り飲料はスタジアム内への持ち込みが禁止されているためだ。
そしてサポーターたちが缶をゴミ箱に捨てる間もなく、廃品回収業者たちの“部隊”が、すばやくそれらの空き缶を拾い集めていく。
このような廃品回収業者たち――その多くは社会的・経済的に脆弱な立場に置かれている――の意義ある活躍によって、ブラジルは長年にわたり、極めて高いアルミ缶のリサイクル率を維持している。
2024年には、リサイクル率は97.3%という高水準の数字に達したと、8月14日(木)に発表されたデータが示している。
この統計は、アルミ缶製造業者とリサイクル業者によって設立・維持されている非営利団体「空き缶リサイクル」によるもので、同団体はリサイクル産業の環境改善を目指して活動している。
同団体によると、ブラジルは16年連続で96%以上の再利用率を達成しているという。
2022年には、リサイクル率が100.1%に達し、販売された缶の数を上回る量が回収・再利用された。2023年も99.6%という高水準を維持している。
昨年は、販売された348億本の缶のうち、339億本が再利用された。これらの容器は廃棄された後、わずか60日以内に再び店頭に並ぶという。
「空き缶リサイクル」のへナート・パケ事務局長によると、ブラジルのリバース・ロジスティクスのシステムは、その一貫性の高さによって際立っているという。
「困難(※パンデミック時期や法的制度移行などが考えられる)な年であっても、我々は高い水準を維持することができた。これは、サプライチェーンの各段階が連携している力強さを示している」と述べた。
リバース・ロジスティクス――つまり、製造業者が自社製品によって生じた廃棄物の回収責任を負う仕組み――は、2010年制定の法律第12.305号「国家固形廃棄物管理政策法」に明記されている。
「空き缶リサイクル」は、ブラジルアルミニウム協会(Abal)およびブラジルアルミ缶協会(Abralatas)と連携して活動を行っている。
ブラジルアルミニウム協会(Abal)のジャナイーナ・ドナス会長は「ブラジルは、循環型経済の分野で世界的な模範となっており、製造業者はリサイクルを単なる環境対策としてではなく、競争力の戦略、供給の安全保障、そして我々の業界にとって不可欠な脱炭素化への道として捉えています」と述べた。
ブラジルアルミ缶協会(Abralatas)のカチロ・カンジード会長は「これは全国のあらゆる地域で所得とチャンスを創出する、制度的に整備され、機能的に連携した産業構造なのです」と述べた。
全国廃品回収業者ネットワークによると、ブラジルには約80万人のリサイクル資源回収業者がいると推定されている。
2020年には、ブラジルアルミ缶協会(Abralatas)、ブラジルアルミニウム協会(Abal)、そして環境・気候変動省(MMA)の間で協定が締結された。この協定では、リサイクル率の高水準を維持するための取り組みに加え、回収業者の収入と生活環境の向上に向けて、製造業者による投資が義務づけられている。
全国廃品回収業者協会(Ancat)のホベルト・ホシャ会長はアジェンシア・ブラジルに対し、回収業者の生活の質を向上させるための一つの方策として、リサイクル業者に納品した資源に対する報酬だけでなく、回収という作業そのものに対しても報酬が支払われるべきだと語った。
「誰も、空き缶の回収や回収後の処理に対して報酬を支払っていないのです」とホッシャ会長は説明する。
同協会は、地方自治体がこの活動の費用を負担し、民間企業も参加する形での制度の構築を提案している。
「回収業者の仕事の質を高め、尊厳ある労働として位置づけるために必要なのは、アルミ缶の回収というサービスに対して、きちんと報酬が支払われる、包括的な支援制度を設けることです」とホシャ会長は訴えた。
さらにホッシャ会長は、協同組合に属していない個人回収業者も、リバース・ロジスティクス法に基づく政策の恩恵を受けられるようにすべきだと強調した。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)