ルーラ大統領、23日に国連総会で恒例の演説を行う予定
2025年 09月 16日
9月23日、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領は、ニューヨーク(アメリカ合衆国)で開催される第80回国際連合総会一般討論演説の開会式にて恒例の演説を行う予定である。
この演説でブラジルの外交政策の優先課題が示されるほか、会期中ルーラ大統領は、パレスチナ問題および気候危機に関する会合にも参加する予定。これらの会合は、11月にブラジルのパラー州ベレンで開催される第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)に向けた準備の一環として位置づけられている。
ニューヨーク訪問中、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領は、「パレスチナ問題の平和的解決及び二国家解決の実施に関するハイレベル国際会議」に参加する予定である。この会議はフランスとサウジアラビアによって招集された。
「ブラジルの視点では、持続可能な平和は、両当事者が対等な条件で交渉できる場合にのみ達成可能です。そのためには、パレスチナが国家としての能力を持つことが不可欠です」と、外務省国際機関局のマルセロ・マロッタ・ヴィエガス局長は、9月15日(月)に説明した。
ヴィエガス局長はさらに、今回の機会が、より多くの国々がパレスチナを国家として承認する契機となることを政府として期待していると述べた。現在、ブラジルを含む147か国がすでにパレスチナを国家として承認している。(「パレスチナ問題の平和的解決及び二国家解決の実施に関するハイレベル国際会議」)第1回会議は7月に開催された。
会議の場では、フランス、イギリス、カナダ、ポルトガルなどがパレスチナ承認への関心を示した。一方で、イスラエルとアメリカ合衆国は、パレスチナを国家として認めることに反対の立場を取っている。
ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領はまた、9月24日に開催される第二回「民主主義の擁護と過激主義への対抗」国際会議への参加も予定している。この会議には約30か国のリーダーが集まり、ブラジルに加えて、チリのガブリエル・ボリッチ大統領、スペインのペドロ・サンチェス首相が主導的役割を果たしている。
「世界的な不確実性と民主的価値感への脅威が高まる中で、この会議は民主主義、多国間主義、法の支配に関する共通の誓約を再確認する機会となります」と、マルセロ・マロッタ・ヴィエガス局長は説明した。
この取り組みは、制度・構造の危機、偽情報、ヘイトスピーチ、社会的不平等に対抗するため、国際協力を促進する積極的な外交の推進を目指している。
民主主義に関する第1回目の会議は今年7月にチリで開催され、ブラジル、スペイン、コロンビア、ウルグアイの大統領が参加した。その際、各国による共同声明が発表された(編集部注:「民主主義の擁護と過激主義への対抗」国際会議の第一回は2024年9月24日に第79回国連総会の期間中に開催された。これを受けて2025年7月21日にチリで閣僚級会合「常に民主主義を」が開催された)。
9月24日には、ルーラ大統領のニューヨーク訪問中の主要議題のひとつである気候危機に関するイベントが、ブラジルとアントニオ・グテーレス国連事務総長の共同主催で開催される。
「この会議は、COP30に向けて、各国が新たな『国が決定する貢献(NDC)』を提出するなど、気候行動への国際的な動員を促進することが期待されています」と、マリオ・グスターヴォ・モッチン気候変動対策部長は述べた。
国が決定する貢献(NDC)は、地球温暖化の主因である温室効果ガスの排出削減に向けて、各国が自主的に設定する目標である。ブラジル外務省によると、現時点でNDCを提出している国は29か国にとどまっている。
ルーラ大統領はまた、ブラジル主催のイベントにも参加し、「熱帯雨林永久保護基金(TFFF)」への支援の呼びかけも予定している。
この基金は、COP30が開催されるベレンで正式に発表される予定で、森林保全のための資金提供を目的としている。
さらに、ルーラ大統領はセネガル前大統領マッキー・サルが主導する「グローバル適応センター」主催の会議にも参加し、気候変動への適応メカニズムについて議論する予定である。
「この会議はアフリカのリーダーが主導しています。アフリカは適応の重要性を最も強く訴えている地域です。また、適切な資金支援の必要性も強調されています」とモッチン部長はコメントした。
ブラジル代表団は、9月22日から始まるニューヨーク気候週間(Climate Week)2025にも参加する予定。このイベントでは、世界中の政府関係者や市民社会のリーダーが約500の会合を通じて議論を行う。
ニューヨーク気候週間は2009年から国連総会と同時期に開催されており、COP30に向けた準備イベントとしての役割を果たしている。
「このイベントは、各国・市民社会・民間セクターによる気候変動への対応策の議論と提案を促進するという前向きな意味を持っています」とモッチン部長は語った。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)