リオ州議会議員、警察の「“荒野の賞与”手当」は「虐殺への報奨」と批判
2025年 12月 29日

リオデジャネイロ州で、“犯罪者を無力化した”(注:事実上、殺害・制圧を含む強制的な排除を指す)警察官に報奨金を支給する、いわゆる「“荒野の賞与”手当」の有効性が、司法の場に持ち込まれた。
カルロス・ミンク州議会議員(ブラジル社会党)が、州法第11.003号/2025年の第21条に対し、直接違憲審査の申立て(ADI)を提起した。
この法律は州の文民警察職員の人員構成の再編を扱ったもので、2025年10月22日に可決された。
法案がリオデジャネイロ州議会(Alerj)で審議されていた過程で、警察官が「犯罪者の無力化」などの行為で顕著な成果を上げた場合、給与の最大150%を報奨として支給することを定める修正条項が盛り込まれた。
州政府は、警察作戦で容疑者が死亡した事案について、報道向けの公式発表において「無力化」という表現を用いている。
一方、「“荒野の賞与”手当」を創設した条項の追加については、警察による致死的な暴力を助長する恐れがあるとして、人権擁護団体から批判の声が上がっている。
リオ州議会での可決後、クラウジオ・カストロ知事は第21条に拒否権を行使した。ただし、その理由は財政上のものだった。
カストロ知事によると、この措置は新たな支出を生むため、拒否権の行使が必要だったという。知事は当時、「拒否権は、州の財政の均衡と、州資源の適切な管理を確保するための規範の遵守を図るものだ」と説明していた。
覆された拒否権
しかし12月18日、リオ州議会の議員らは知事の拒否権を覆す決定を下し、いわゆる「“荒野の賞与”手当」を有効化する判断を示した。
直接違憲審査の申立て(ADI)は、拒否権の覆しが州官報に掲載された26日(金)夜に提起された。訴訟の担当は所定の無作割り得て手続きにより、アンドレ・エミリオ・ヒベイロ・フォン・メレントヴィッチ判事に割り当てられた。
カルロス・ミンク議員は、この手当を「狂気の沙汰」、あるいは「虐殺への報奨」と呼んで批判している。財政面の問題に加え、訴訟では、この手当の導入と“事実上の処刑”とみなされる殺害の発生を結びつける研究も引用されている。
ミンク議員はアジェンシア・ブラジルに対し、「私はイグナシオ・カーノ(社会学者)が主導した研究に基づき、20年前、法律によって“荒野の賞与”手当を廃止した。当時の研究では、3年間の実施期間中に発生した3,200件の“対峙による死亡”のうち、65%が実質的な処刑だったことが示されていた」と述べた。
この制度は1995年から1998年までリオデジャネイロ州で運用されていたが、虐殺行為に関する告発を受け、州議会自身の判断で停止されていた。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)


