米国の攻撃後、100人のブラジル人観光客がベネズエラを出国
2026年 01月 4日

ブラジル政府は1月3日(土)、アメリカ合衆国によるベネズエラへの攻撃を受け、同国を観光で訪れていたブラジル人100人が(ヴェネズエラと隣接する)ホライーマ州を通じてブラジル側へ越境したと発表した。
ブラジル外務省は、ベネズエラ在留ブラジル人コミュニティの状況を引き続き注視していると、マリア・ラウラ・ダ・ホッシャ外相代行が明らかにした。
「カラカスの在ベネズエラ・ブラジル大使館は、事態の推移だけでなく、同国にいるブラジル人コミュニティの状況についても細心の注意を払っている。現時点でブラジル人に死傷者が出たとの報告はない」と外相代行は述べた。
休暇中だったマウロ・ヴィエイラ外相の代行を務めるマリア・ラウラ大使は、休暇を切り上げて同日中にブラジリアへ戻ったヴィエイラ大臣に代わり、情勢把握にあたっている。
マリア・ラウラ大使は、米国によるベネズエラ侵攻を受け、この日2度目となる緊急会合の終了後、外務省で記者団の取材に応じた。
緊急会合はルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領が指揮を執り、ヒカルド・レヴァンドフスキ司法・公安相、シドーニオ・パウメイラ大統領府広報局長、ジョゼー・ムシオ国防相も出席した。
さらに、 大統領府官房庁のミリアン・ベウキオール長官代行、在カラカス・ブラジル大使館のグリヴァニア・マリア・ジ・オリヴェイラ大使、そして大統領府行政機関調整庁の代表者らも会合に参加した。
ジョゼー・ムシオ国防相は、国境は引き続き開放され落ち着いた状況にあると強調し、国外退避を希望するブラジル人は在外公館に連絡するよう呼びかけた。
「現状は非常に落ち着いており、国境も開いていて、何の制限もありません。現地にいるブラジル人は帰国できます。大使館に連絡してください。大使も対応にあたっており、副領事も大いに尽力しています。私たちは新たな動きがないか警戒態勢を維持しているところです」(ジョゼー・ムシオ国防相)
ブラジル政府がベネズエラの国家元首として誰を認めているのか問われたのに対し、マリア・ラウラ外相代行は、デルシー・ロドリゲス副大統領であると説明した。
「現職のマドゥロ大統領が不在のため、副大統領が大統領代行を務めています」と述べた。
また、ブラジル外務省のマリア・ラウラ外相代行は、ブラジルが今週日曜(4日)に予定されている中南米・カリブ諸国共同体(Celac)の閣僚会合、および翌月曜(5日)に開かれる国連安全保障理事会に参加すると明らかにした。
いずれの会合でも、米国によるベネズエラへの攻撃が議題となる見通しだ。
マリア・ラウラ外相代行は、「ブラジルは引き続き国際法を支持する立場にあり、いかなる領土侵害にも反対するというのがブラジルの伝統的な姿勢です。各国の主権を尊重します」と述べた。
また、ルーラ大統領は同日早くに発表した声明で、今回の攻撃について「国際法の違反だ」として強く非難した。
米国によるベネズエラ攻撃は、ワシントンが中南米で直接介入した新たな事例となった。米国が最後にラテンアメリカの国へ侵攻したのは1989年のパナマで、当時のマヌエル・ノリエガ大統領を麻薬取引容疑で拘束した際のことだった。
ノリエガ大統領の時と同様に、米国は今回も証拠を示すことなく、マドゥーロ大統領が「デ・ロス・ソレス」と呼ばれるベネズエラの麻薬カルテルを率いていると非難している。しかし、国際的な麻薬取引の専門家の間では、このカルテルの実在そのものに疑問が呈されている。
米政府はこれまで、マドゥーロ大統領の身柄拘束につながるような情報に対して最大5,000万ドルの懸賞金を提示していた。
批判的な見方によれば、今回の行動は、ベネズエラを中国やロシアといった米国の世界的な競合勢力から引き離すための地政学的措置であるとともに、米国が世界最大規模の確認埋蔵量を持つ同国の石油資源への影響力を強める狙いがあるとされる。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




