『ザ・シークレット・エージェント』、ゴールデン・グローブ賞で二冠の快挙

2026年 01月 12日

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1月12日、ロサンゼルス、米国。『ザ・シークレット・エージェント』は、2026年のゴールデン・グローブ賞授賞式で、ノミネートされていた3部門のうち2部門(外国語映画賞と、ヴァギネル・モウラによる最優秀男優賞)を受賞した。ブラジルが同一回のゴールデン・グローブ賞で2つの賞を獲得するのは、史上初めてとなる(写真/@goldenglobes)

ブラジル映画界は、ロサンゼルス(米国)のザ・ビバリー・ヒルトンで行われた日曜夜のゴールデン・グローブ賞で、歴史的な一夜を迎えた。

クレーベル・メンドンサ・フィーリョ監督の映画『ザ・シークレット・エージェント(O Agente Secreto)』が、式典の主要二部門――外国語映画賞と、ヴァギネル・モウラによるドラマ映画部門最優秀男優賞――を制した。

際立った成果を挙げたものの、同作は夜の最重要部門であるドラマ映画賞は獲得できず、受賞は『ハムネット』に渡った。それでも「ブラジルの夜」と呼ばれたこの日は、同国の存在感を改めて際立たせる結果となった。

外国語映画賞の発表は、俳優のオーランド・ブルームとミニー・ドライヴァーが務めた。受賞作を読み上げた際、ドライヴァーはポルトガル語で「パラベンス(おめでとう)」と述べ、ブラジルの観客に向けて祝意を示した。

同部門で『ザ・シークレット・エージェント』は、ノルウェーの『Sentimental Value』、スペインの『Sirât』、韓国の『No Other Choice』、チュニジアの『The Voice of Hind Rajab』、フランスの『It Was Just an Accident』の5作品を抑えて受賞した。

トロフィーを受け取ったクレーベル・メンドンサ・フィーリョ監督は、まず祖国に向けて挨拶を述べた。

「ブラジルのみなさんに声を届けたい。アロー、ブラジル」と語りかけた。続けて、ブラジルの配給会社ヴィトリーニ・フィウミス、プロデューサーでありパートナーでもあるエミリー、スタッフ、キャストへ感謝を示した。

「ありがとう、ヴァギネル・モウラ。偉大な俳優と偉大な友人がいてこそ、最高のことが起きるのです。この作品を若い映画作家たちに捧げます。いまは本当に特別な瞬間です」と監督は述べた。

今回の受賞は、カンヌ国際映画祭での初上映以来続いてきた(『ザ・シークレット・エージェント』の)国際的評価が、一つの形として結実したものだ。同作はカンヌ映画祭でパルムドールを争う形で初上映されている。その際、フレーヴォ(注:ブラジル北東部に伝わる伝統芸能)のパフォーマンスがクロワゼット通りを沸かせ、同年の最も話題となった場面の一つとなった。

ヴァギネル・モウラは、ゴールデン・グローブ賞のドラマ映画部門で最優秀男優賞を受賞した初のブラジル人となり、歴史を刻んだ。スピーチではポルトガル語で語り、ブラジル文化を称えた。「ブラジル文化万歳」と述べ、クレーベル・メンドンサ・フィーリョ監督とのパートナーシップを強調し、監督を「天才」と評したうえで、作品づくりの過程で育まれた友情にも触れた。

今回、最優秀男優賞には、ヴァギネル・モウラのほか、ジョエル・エドガートン(『Train Dreams』)、オスカー・アイザック(『Frankenstein』)、ドウェイン・ジョンソン(『The Smashing Machine』)、マイケル・B・ジョーダン(『Sinners』)、ジェレミー・アレン・ホワイト(『Springsteen: Deliver Me from Nowhere』)がノミネートされていた。

『ザ・シークレット・エージェント』の受賞は、ブラジルの同賞における伝統を呼び起こすものでもある。1999年には『セントラル・ステーション』が同部門を制し、昨年はフェルナンダ・トーへスがドラマ映画部門の最優秀女優賞を受賞している。

そのほかの受賞では、映画部門の最優秀監督賞がポール・トーマス・アンダーソン(『One Battle After Another』)に贈られ、ミュージカル/コメディ映画部門の最優秀男優賞はティモシー・シャラメ(『Marty Supreme』)が受賞した。

テレビ部門では、シリーズ『Adolescence』が演技賞を二つ獲得。オーウェン・クーパーがシリーズ助演男優賞を受賞し、スティーヴン・グレアムは主演男優賞を受賞したほか、同作の監督も務めている。

二つのトロフィーと強い国際的反響を得た『ザ・シークレット・エージェント』は、今年の世界映画賞レースにおいて、ブラジルを主要な存在として確固たるものにした。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)