アサイー、ブラジルの「国果」に指定される

2026年 02月 3日
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撮影は2025年10月9日、ベレン(パラー州)。元チェーンソー作業員ジェルソン・テリス氏はアサイーの収穫工程を観光客に紹介している(写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)

アサイーの収穫は、今も伝統的な方法が主流だ。

アサイーの果実は、一般的に15~20mの高木であるアサイー椰子の上部、地上から10~20mの高さのあたりになる。“アサイエイロ”と呼ばれるアサイーの採取人は、アサイー椰子の葉などを結んで作った輪「ペコーニャ」で足を固定させながら木に登り、収穫する。

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撮影は2025年10月9日、ベレン(パラー州)。アサイーの収穫時に足を支えるために使う道具「ペコーニャ」を作るジェルソン・テリス氏(写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)

伐採に使われるのは、森林作業にも使われるテルサードと呼ばれる大型の刃物。採取人はテルサードを携えてペコーニャを使って木に登り、アサイーの房をこれで切り落とす。

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撮影は2025年10月9日、ベレン(パラー州)。テルサードを腰に差してアサイー椰子に上るジェルソン・テリス氏(写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)

採取人の多くは、この地でずっとアサイーを日常的に消費してきた、アマゾン河の支流の川沿いで生活するヒベイリーニョスと呼ばれる“川沿いの民”たちだ。

アサイーの果実は、約95%が種で、果肉部分は種の周り(皮の内側)だけにしかなく、果実ごと絞って果肉を得る。

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撮影は2025年10月9日、サウヴァテーハ(パラー州)。アグロフォレストリーで栽培されたアサイーを収穫後、果実を集める採取人(写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)

彼らは集めた房から取り外し集められたアサイーの果実を、水に浸して柔らかくした後、手作業で果肉を得て、毎食、大事な栄養源として食事と共にアサイーを摂取してきた。消費が増えるにつれて機械化も進んでいるが、店舗でも、果実と水を入れて手作業で果実を絞る簡易な機械が使われている。

ヒベイリーニョスが生活する地域から海岸沿いの都市部へ、さらにはアマゾン流域を超えてリオデジャネイロなど南東部の大都市へとアサイーの消費が広まるにつれて、ヒベイリーニョスが採取したアサイーの果実を仲買人がボートで買い付けに来るようになった。

アサイーの名産地パラー州の州都ベレンにあるベロ・ペーゾ市場では、早朝、仲介人の手で同州の様々な産地から、かごいっぱいのアサイーが運ばれてくる。この光景は今では市場の名物となっている。

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撮影は2025年10月25日、ベレン(パラー州)。南米最大の青空市場といわれるヴェロ・ペーゾ市場で未明に行われるアサイーと魚の取引(写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)

また、ベレン市内のスーパーマーケットでは、生の果実が店に運ばれ、店内で絞りたての果肉が販売されている光景を見ることができる。搾った果肉はペースト状で、生、または冷凍されて流通する。

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ベレン市内でチェーン展開しているスーパーマーケット「リーデル」のアサイー売り場。その場で絞った果実のペーストが生で販売されている(撮影/麻生雅人)

日本でもすっかりおなじみとなっているスイーツに近い形態の「アサイーボウル」は近年、ブラジルの海岸沿いにある都市部で発展したスタイルだ。

パラー州をはじめ現地でも今ではバナナなどを添えてスイーツとして食べたり、ガラナをミックスしたジュースにして飲むスタイルも一般的ではあるが、食事として、味付けをしていないアサイーの果肉のペーストを、エビや魚、肉のフライなどをつけて食べる食べ方が伝統的だ。

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ベレン市のアサイー専門店「ポント・ジ・アサイー」。伝統的なクイアに入った郷土料理(タカカー、マニソバなど)と、アサイー、エビや肉(撮影/麻生雅人)

また、アサイーの果肉のペーストを入れる食器は、木の実をくりぬいて作ったクイアと呼ばれる器が伝統的なものだ。現在のアサイーボウルの形の原型といえるだろう。

クイアはさまざまな木の実から作ることができるが、カバセイラと呼ばれる樹木(Crescentia cujete)になる、ポロンゴという木の実をくりぬいて作るのが最も伝統的とされている。

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