ファヴェーラから世界へ。エンヒッキ・マルケス、2025年のテコンドー世界最優秀選手に選出

2026年 02月 4日

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2025年の世界最優秀選手に選ばれたブラジル人選手エンヒッキ・マルケス(左)(写真/Reprodução Instagram/Henrique Marques)

2025年の世界王者であるブラジル人選手エンヒッキ・マルケスが、昨シーズンのテコンドー男子最優秀選手に選ばれた。

国際テコンドー連盟が授与するこの賞は、2月2日(月)にアラブ首長国連邦のフジャイラで行われた式典で本人に手渡された。トロフィーの受賞のみならず、マルケスは同連盟が12年前に創設したこの表彰で栄誉を受けた初のブラジル人選手となった。

「こんなことが現実になるなんて、どんなに大きな夢を描いても想像できませんでした。貧しい家庭に生まれ、ファヴェーラで育った黒人の若者が、いま自分の分野で“世界一”として認められているのです!」と、21歳のマルケスはSNSに投稿した。

リオデジャネイロ大都市圏のイタボライー(RJ)出身のマルケスは、2025年シーズンに計6個のメダルを獲得し、そのうち4個が金メダルだった。10月には、中国・無錫(ウーシー)で開催された世界選手権の男子80キロ級でブラジル勢として初のタイトルを手にし、この勝利によってランキング首位に浮上した。

さらに、リオ・オープン、プレジデンツカップ(ペルー・リマ)、グランプリ・バンコクでも金メダルを獲得している。

2025年末のブラジル・オリンピック賞の男子部門では最終候補に残ったものの、栄冠は競歩のカイオ・ボンフィンに渡った。ブラジルオリンピック委員会(COB)が主催する同賞の女子部門では、無錫(中国)で開催された世界選手権の女子57キロ級を制したマリア・クララ・パシェーコが受賞した。

マルケスが昨季に到達した頂点は、粘り強い努力と献身の積み重ねによるものだった。

2023年、彼はサンティアゴ(チリ)で行われたパンアメリカン大会でブラジル代表として出場する直前、渡航前検査で心臓の不整脈が見つかり、出場を断念せざるを得なかった。手術を受けた後、回復のために5か月間マットから離れることになった。

復帰後、マルケスは翌年4月にパリ五輪の出場権を獲得した。しかし大会開幕までの間に父親が亡くなり、深い悲しみの中で臨んだパリ2024では準々決勝で敗退した。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)