ブラジル電力配電協会がカーニバルでの事故防止を呼びかけ
2026年 02月 9日

祝祭と開放ムードが高まるカーニバルだが、電力設備に関わる事故の予防に注意が必要だと、ブラジル電力配電協会(Abradee)のマルコス・マドゥレイラ会長がアジェンシア・ブラジルの取材に対して警告した。
Abradeeによると、昨年の第1四半期には国内で176件の電力網関連事故が記録されており、カーニバル期間は不注意が増え、事故リスクが高まる可能性があるという。
2025年1〜3月に国内で発生した事故のうち、65件が死亡事故だった。2024年の同時期は177件の事故があり、81人が死亡している。
マドゥレイラ会長は、2025年と2024年の第1四半期を比較した際に死亡者数が減少したことについて、「良い兆候ではあるが、満足すべき結果ではない。依然として致命的な事故が起きている。目指すべきは“死亡事故ゼロ”だ」と述べた。
マドゥレイラ会長によると、これらのデータは、事故防止と市民への啓発活動を継続的に行う必要性を裏付けるものであり、特に、カーニバルなどの大規模な祭り、夏季の降雨期、都市部での非公式な作業が増える時期には注意が求められるという。
リスク要因として挙げられるのは、(定番のカーニバルグッズのひとつである)金属箔(または金属フィルム)製の投げテープ(「セルペンチーナス・メタリカス」)が電線に触れること、違法な電気接続、電力網に近接した金属構造物の設置などで、これらは感電、ショート、火災、致命的事故の危険性を大幅に高める。
「セルペンチーナス・メタリカス」についてマドゥレイラ会長は、電気を通す性質があるため、電線に触れた場合、投げた人や周囲にいる人々と電力網との間に“導通経路(電気が流れる経路)”をつくってしまうと指摘する。
「安全を確保するためには、こうした点への注意が欠かせません」(マドゥレイラ会長)
観客席や支柱、屋台などの設営に関しては、正しい接続を行うため、配電会社に相談する必要があると同氏は強調する。被覆の剥がれた電線、断線したケーブル、適切に接地されていない配線は、重大な危険をもたらす。
「配電会社は、こうした接続を適切に行うための専門チームを用意しています。しかし、多くの場合、人々は“場当たり的な配線”をしてしまい、結果として市民を危険にさらすことになるのです」(同)
また、近年大型化が進む山車やトリオ・エレトリコ(サウンドシステム車両)による電線への接近が懸念されるとも指摘。事前に消防局や配電会社と連携し、安全確認を行う必要があるという。
「これは非常に重要です。事前の調整によって電線を高くするなど、車両が安全に通行できる条件を整えることができます。あらかじめ定められた高さ制限の範囲内で通行できるようにするためです」(同)
さらに、楽団が乗る車両の上で観客が危険な形で移動する行為も、事故リスクを高める重要な問題だと付け加える。
「カーニバルを安全に楽しむためには、電線から距離を保ち、常に配電会社の技術的な指導を受けることが大切です」(同)
また、ブラジル電力配電協会(Abradee)は、6月に、毎年行っている「全国電力安全キャンペーン」を今年も行う予定だ。
この取り組みは、事故防止に関する情報の周知を広げ、市民に安全な行動を促すとともに、電気と共存する日常には常に注意が必要であることを改めて訴えることを目的としている。
キャンペーン開始時には、2025年に国内で発生した電力網関連事故の統計データがまとめて公表される見通しだ。
「私たちは、どのような事故が市民の間で多く発生しているのかを把握し、その原因に焦点を当てたキャンペーンを展開するよう努めています」(同)
<ブラジル各地で進む「セルペンチーナス・メタリカス」の規制>
2025年1月、ペルナンブッコ州政府は、州内全域で「セルペンチーナス・メタリカス」の販売を禁止した。新たな州法により、この製品を販売しているところが摘発された場合、商品は押収され、最大1万レアルの罰金が科される可能性がある。
この措置は、2011年2月にミナスジェライス州バンデイラ・ド・スウで発生した悲劇を繰り返さないことを目的に導入された。同市ではカーニバルのブロッコの行進中、「セルペンチーナス・メタリカス」が電線に接触し、16人が死亡、55人が負傷する事故が起きた。
ペルナンブッコ州とバイーア州で電力を供給するネオエネルジア社の運用部門責任者のレオナルド・モウラ氏は、「セルペンチーナス・メタリカス」が電線に触れた際の危険性について警鐘を鳴らしている。
ネオエネルジア社は他の事故も挙げている。昨年の大晦日には、オリンダ市の住民が「セルペンチーナス・メタリカス」を配電線に投げた際に感電し、全身にやけどを負った。
また、2024年のバイーア州サウバドール市のカーニバル前夜祭では、「セルペンチーナス・メタリカス」が原因で、バーハ=オンジーナ周辺の電力供給が数時間にわたり停止した。
同社は、ペルナンブッコ州で施行された法律と同様の規制をバイーア州でも導入できるよう、すでに州議会と協議を進めていると明らかにした。
(記事提供/Agência Brasill 2026年2月8日および2025年1月25日、構成/麻生雅人)




