米国とイスラエルによるイラン攻撃でブラジル農産物貿易への影響の懸念高まる

2026年 03月 2日

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2月28日、イスラエル空軍(IAF)が実施した「ライオンの咆哮」作戦で爆撃を受けたテヘラン(イラン)(写真/RS/Fotos Públicas)

米国とイスラエルによる2月28日(土)のイランへの攻撃を受け、ブラジルの農産物貿易に及ぶ可能性のある影響への懸念が高まっていると、現地メディア「グローボ・フラウ」、「CNNブラジル」(共に2月28日付)が伝えている。

イラン向け輸出はブラジル全体の0.84%にとどまるものの、農業分野においては戦略的な市場であり、地域情勢の緊張がさらに高まれば、物流面での支障が生じ、両国間の商流に影響が出る恐れがあると報じている。

ブラジル開発・産業・貿易・サービス省(MDIC)や、同省の貿易局(SECEX)のデータによると、2025年のブラジルからテヘランへの輸出額は29億ドルに達したという。イランはブラジルにとって、アラブ首長国連邦、エジプト、トルコ、サウジアラビアに次ぐ中東地域で5番目に大きな輸出先で、世界全体の取引相手国ランキングでは31位だった。

ブラジルからイランへの輸出の中心はトウモロコシで(同国への輸出の67.9%(約19億ドル)を占める)、ブラジル農牧・供給省のデータによると、2025年にテヘランはブラジル産トウモロコシの最大の輸入国となり、輸入量は900万トンに達している。これはブラジルの年間輸出量の約23%に相当するという。イランにとってブラジルのトウモロコシは、アジアで4番目の規模を持つ国内の鶏肉産業を支える重要な飼料だという。

ブラジルからのトウモロコシの輸出は、これまで中国、日本、ベトナム、韓国への輸出が目立っていたが、2024年以降、中国が買い控える中、2024年下半期から2025年末にかけてイランによる買い付けが急増。2025年は、前年比で109%の伸びを見せたイランがトップに躍り出た。

一方、ブラジルがイランから輸入する量は比較的小さく、2025年の輸入額は約8,400万ドルとされている。しかし、「グローボ・フラウ」は、窒素系肥料の製造に不可欠な尿素の重要な供給国である点を指摘している。

(文/麻生雅人)