マウチネルは「世界に異なる光をもたらす存在としてのブラジル」を信じ続けてきた、とカエターノ語る

2026年 03月 27日

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ジョルジ・マウチネルと、彼の歴史的意義を称えた「アイム・スティル・ヒア」などで知られる女優フェルナンダ・トーへス(写真提供/Filipe Araújo)

ブラジル文化を代表する著名人たちが、2026年に85歳を迎えたマルチアーティスト、ジョルジ・マウチネルの功績を称えた。マウチネルは今週、ブラジル文化の発展に多大な貢献をした人物や団体に授与される「フイ・バルボーザ・メダル」を受章した。長年にわたり共作を続けてきたカエターノ・ヴェローゾは、マウチネルが自身の形成、そして「ブラジル」という概念の構築に与えた影響を強調した。

「私が強調したいのは、マウチネルがブラジルへの信頼を持ち続けてきたという点です。今のブラジルに対してその姿勢を保つことは、普通なら考えにくい。しかしマウチネルは、世界に異なる光をもたらし得る存在としてのブラジルに賭けることを、一度もやめなかったのです」と語った。

さらにカエターノは続けた。

「ブラジルの使命を信じるという対話を交わせた友人たちの中で、今もなお私にその信念を抱かせてくれるのは、マウチネルだけです」

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2026年3月24日、ボタフォーゴ、リオデジャネイロ市。ジョルジ・マウチネルのフイ・バルボーザ・メダル授賞式にカエターノ・ヴェローゾなど著名人が参列した(写真提供/Filipe Araújo)

メダルの授与式は3月24日(火)に行われ、リオデジャネイロのボタフォーゴにあるフイ・バルボーザ邸財団で、アーティスト、知識人、友人らが集う夜となった。同財団は文化省に属し、マウチネルが「記憶の保存と、民主的社会の基盤としての知の促進」に果たしてきた役割も評価したうえで、この名誉を授与した。
感極まったマウチネルはスピーチこそ行わなかったものの、受賞に対する感謝と、寄せられた温かい祝意に深く謝意を示した。

1941年にリオデジャネイロで生まれ、オーストリア系ユダヤ人移民を両親に持つジョルジ・マウチネルは、作曲家、作家、思想家として独自の軌跡を築いてきた。「マラカトゥ・アトミコ」、「ラグリマス・ネグラス」といったブラジル音楽史に残る作品の作者であり、トロピカリズモの世界に身を置きながら、<創造的カオス>の思想やブラジル文化の混淆性を擁護する独自の哲学を発展させてきた。

軍事独裁政権下で投獄された後、米国とロンドンで亡命生活を送り、その過程でカエターノ・ヴェローゾやジウベルト・ジウとの関係を深めた。以降の数十年にわたり、音楽、文学、思想を横断する創作活動を続け、常に、ブラジルにおける多様性とシンクレティズム(混淆性)の価値を自身の表現の中心に据えてきた。

式典は音楽や語らい、温かな言葉に彩られ、ジウベルト・ジウや女優フェルナンダ・トーへスらも出席した。夜が進むにつれ、マウチネルの影響力の広さを映し出す、親密かつ共同的な祝福の場となった。

女優フェルナンダ・トーへスは、マウチネルとの思い出を振り返り、その歴史的・象徴的な存在感について語った。

「彼ら(マウチネルの世代)は冷戦期に若者だった。そして私たちは今、そのすべてが同時に、しかも悪化した形で押し寄せているような時代に生きている」

「しかし、彼やあの世代が持っていたのは、ブラジルが世界にシンクレティックな貢献をもたらし得るという、ある種のビジョンでした。ブラジルが“アンテナ”を持つ国であるという感覚です」

さらにトーへスは、逆境にあっても揺るがないマウチネルの繊細さを強調した。

「彼は時にひどい状況に置かれることがあっても、その反応は、ただ起きていることを静かに見つめている人のようでした。それが本当に印象的なんです」

マウチネルの孫である若いジュリア・マウチネルは、家族の思いをこうまとめた。

「彼は世界で一番頭のいい人で、そのことをあらゆる形で伝えることができる。私にとって彼は完璧なんです」

祖父の作品の中心概念である「自由」について問われると、彼女はこう語った。

「自由とは、もっと内面的なものだと思います。自分を外側から、評価せずに見つめることを自分に許すこと。そこから変化が生まれ、新しいことができるようになるのだと思います」

<異例の授与式>

今回のメダル授与は、例年11月に行われるという同財団の慣例を破る形となった。フイ・バルボーザ邸財団のアレシャンドリ・サンチーニ代表は、この特別な判断について次のように語った。

「今日はプロトコルを破りました。私たちはいつも11月5日、文化の日に表彰を行っています。1949年にこのメダルが毎年授与されるようになって以来、11月5日以外の日に授与するのは初めてです。あなたのためだったからですよ、いいですね?」

証書の読み上げに先立ち、そう述べて会場を沸かせた。

同財団によれば、この栄誉は倫理、思想の自由、文化への献身といった価値を改めて示すものだという。読み上げが終わると、観客の合唱がその夜の空気を象徴した。

「ヴィヴァ、ジョルジ・マウチネル。ヴィヴァ!」

今回のオマージュは、アーティストのマリア・ボルバと研究者ジョアン・パウロ・ヘイスによるキュレーションをもとに構成され、マウチネルの多面性を映し出す内容となった。

「昨年、私とジョアン・パウロ・ヘイスはジョルジの詩集を出版しました。その発売に合わせて小さな音楽パフォーマンスを始めたところ、どんどん広がっていったんです。そこから、フイ・バルボーザ邸やアレシャンドリ・サンチーニの働きかけもあって、ここでジョルジへのオマージュを行うというアイデアが生まれました」とボルバは語る。

構成は音楽から映画、文学、演劇まで多様な声と表現をつなぎ、観客席で式典の一部を見守っていたマウチネルが最後にステージへ登場する形で締めくくられた。「夜の頂点は、彼が音楽を披露する瞬間だと分かっていたので、最後に彼が登場するように考えました」とキュレーターは説明した。

そして夜のクライマックスは、客席にいたマウチネルがステージに上がり、仲間たちと合流した場面だった。抱擁、音楽、即興演奏が交錯し、歌手セシーリア・ベラーバとの小さなショーへと発展。マウチネルの歩みを象徴するエネルギーに満ちたまま、オマージュは幕を閉じた。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)