ハイアン、アンチェロッティ体制での攻撃陣の守備的役割を強調

2026年 06月 27日

234bd358-42e2-460b-bdd7-174a24d1b0df

マイアミ(米国)、2026年6月24日(水)。対スコットランド戦のハイアン(写真:Rafael Ribeiro/CBF)

6月24日(水)、2026FIFAワールドカップ・グループCのスコットランド戦でブラジルが3対0で勝利した試合の先制点には、ハイアンの重要な働きがあった。元ヴァスコ所属で、現在はイングランドのボーンマスでプレーするハイアンは、相手DFスコット・マッケナの一瞬の隙を突き、エリア内でボールを奪取。最後はヴィニシウス・ジュニオールにパスを送り、マイアミ(米国)での試合の口火を切った。

19歳のハイアンは、この試合で先発した時点で歴史に名を刻んでいた。1970年大会で3度目の優勝を果たしたブラジル代表の左サイドバック、マルコ・アントニオ以来、W杯でのブラジル代表最年少先発となったためだ。

さらにヴィニシウス・ジュニオールへのアシストにより、40年ぶりにW杯でブラジル代表として最年少アシスト記録も更新した。前回の最年少アシストは1986年大会のFWミュラーで、奇しくも同じメキシコ開催だった。

ハイアンは26日(金)、ブラジル代表が滞在する米国ニュージャージー州のホテル「The Ridge」で記者会見に応じ、先制点の場面はカルロ・アンチェロッティ監督の指示に沿ったものだと説明した。背番号26によれば、アンチェロッティ監督は常に「前線からの守備」を強調しているという。

「昨年から守備面で成長してきました。監督はまず守備をしてからプレーするよう求めています。前線にいる僕たちにとって、とても重要な役割です。週を通して取り組んできたので、日本戦でもうまくいくと思います」と語り、ブラジリア時間29日(月)14時(日本時間30日(火)2時)にヒューストン(米国)で行われる決勝トーナメント1回戦(16強入りを懸けた試合)を見据えた。

決勝トーナメント進出を懸けた日本戦について、ハイアンは記者会見で日本人記者から「ブラジルが警戒すべき日本代表の選手は誰か」と質問を受けた。すると、ハイアンは一瞬考え込み、苦笑いを浮かべながらこう答えた。

「いやぁ……正直、誰が一番危険なのか分からないですね(笑)。映像を見て判断するしかないです。僕たちは最善を尽くして、勝利をつかむために準備します」と答えた。

<称賛と感謝>

守備面の成長を支えた存在として、ハイアンが挙げたのはフェルナンド・ジニスだった。

ハイアンによれば、自身の守備力向上に大きく寄与したのがフェルナンド・ジニス監督だ。現在コリンチャンスを率いるジニスの下で、ハイアンは2025年のヴァスコで重要な役割を担い、チームはコパ・ド・ブラジル決勝に進出。決勝では奇しくもコリンチャンスに敗れたが、ハイアンはシーズン20得点を記録し、2008年のエジムンド以来、ヴァスコ下部組織出身選手として初めてこの数字に到達した。

「ジニスはいつだって僕にとって“父親”のような存在です。前の試合でも見てもらった通り、守備面で本当に助けてもらいました。放っておいたら、ほぼ毎日電話をかけてくるんですよ(笑)。ずっと心に残る人です」と語った。

ハイアンはまた、もう一人の恩師としてスペイン人監督アンドニ・イラオラの名を挙げた。イラオラは、ハイアンが今年1月に移籍したボーンマスで指導した人物だ。

「ボーンマスに着いたときから、彼(イラオラ)は毎週僕と話してくれました。『ブラジル代表に行けるよう手助けする』と言ってくれて、その通りになりました。僕を大いに支えてくれた人で、リヴァプールでもきっと成功するはずです」と述べた(注:イラオラ監督は欧州シーズン終了後、アリソンが所属するイングランドのリヴァプールを率いることになった)。

<原点への思い>

若くしてW杯とブラジル代表の先発をつかんだハイアンは、自分を育ててくれた指導者だけでなく自身のルーツにも感謝を示した。

インタビューの中でハイアンは何度も、自身の出自への誇りを口にした。彼が育ったのは、リオ北部サン・ジャヌアリオ周辺にあるコミュニティ「バヘイラ・ド・ヴァスコ」。父ヴァウキマールはヴァスコの元DFで、ハイアン自身は2022年W杯の頃、選挙用の“サンチーニョ”(候補者の小型パンフレット)を配っていたという。

「僕たちは昔から苦労してきたことを分かっています。本当に誇りを感じます。子どもの頃から、この瞬間を夢見て努力してきました。自分がどこから来たのか、そして多くの選手がここ(ブラジル代表)を通ってきたことも知っています。今が僕の瞬間です。最大限に楽しみたいしブラジルに“ヘキサ(6度目の優勝)”を持ち帰りたい」と締めくくった。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)