ブラジル高等選挙裁判所、AIで作成されたボウソナーロ前大統領の映像を無効化する訴えを却下
2026年 09月 2日
【ブラジリア 9月1日】 ブラジル高等選挙裁判所(TSE)は1日(火)、労働者党(PT)が提出した、人工知能(AI)で作成されたジャイール・ボウソナーロ前大統領の映像の公開をめぐる訴えを却下する決定を下した。
この問題は、共和国大統領選のフラヴィオ・ボウソナーロ候補(自由党)が、8月に行われた自身の候補者発表イベントで、自宅軟禁中の父親による“声明”を模したAI映像を使用したことから浮上した。
多数決により、TSEの閣僚らは、この映像はフラヴィオ氏の党大会で公開されたものであるため、不正な選挙宣伝には該当しないとの判断を示した。
AIで生成されたボウソナーロ氏の映像を認めた一方で、TSE閣僚らは今回の審理を機に、選挙キャンペーンで禁止されている人工的コンテンツ「ディープフェイク」の概念を明確化した。
裁判所は、ディープフェイクを 「AIによって生成され、生者・故人・架空の人物を問わず、その人物の画像や声を現実的な精度で改変し得るコンテンツ」 と定義した。
この定義は、現在選挙裁判所で審理中の類似案件にも適用される見通し。
<規則>
TSEは今年3月、10月の総選挙に向けてAI利用に関する規則を承認した。
規則は候補者と政党に適用される。TSEは、AI提供企業がユーザーから求められた場合でも「投票すべき候補者を推薦すること」を禁止した。アルゴリズムによる有権者の自由意思への干渉を防ぐことが目的だ。
また、デジタル上の女性差別対策として、TSEは女性候補者を対象とした合成画像や、ヌード・ポルノを含む写真・動画の投稿を禁止した。
さらに選挙裁判所は、インターネット事業者が偽アカウントや違法投稿を削除しない場合、司法責任を問われ得ることを改めて確認した。
選挙の第1回投票は10月4日に実施され、連邦議員、州議員、連邦区議員、知事、上院議員、そして共和国大統領が選出される。
第2回投票は25日に予定されており、知事選と大統領選で、いずれの候補も有効票(白票・無効票を除く)の50%超を得られなかった場合に実施される。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)



