捜査対象の下院議員に新証拠 最高裁判事への“影響力行使”を売り込んだ疑い
2026年 09月 15日
【ブラジリア 9月14日】 ブラジル連邦最高裁判所(STF)のフラヴィオ・ジノ判事は、連邦警察(PF)がセジーニャ・ジ・マドゥレイラ下院議員(自由党/リオデジャネイロ)の自宅や事務所などの所在地を捜索することを許可した決定の機密扱いを解除した。
決定書には、同議員が金銭と引き換えに最高裁判事らへの“アクセス”や“影響力”を約束していた疑いが記されている。
ジノ判事は決定の中で、セジーニャ議員が「自身の議員としての立場を利用し、第三者に対し上級裁判所の判事への影響力があるかのような認識を植え付けていた疑いがある」と指摘した。議員は影響力行使、汚職、資金洗浄の容疑で捜査を受けている。
<議員の妻が“影響力”を交渉>
ジノ判事が引用した連邦警察の中間報告によると、第三者の携帯電話から抽出されたメッセージの中に、議員の妻で弁護士のヴァレリア・ホドリゲス・リニャーリスが、夫の“影響力”を最高裁を含む上級裁判所の判事らに対して行使できると示唆し、その見返りを交渉している様子が記録されている。
これらのメッセージは、連邦警察が押収した下院職員マリアンジェラ・フィアレッキの携帯電話から見つかった。
フィアレッキは、いわゆる「秘密予算」(議員の推薦元や資金の最終受益者が特定できない連邦予算の一部)の執行に関与した疑いで捜査対象となっている。
抽出された会話では、フィアレッキがヴァレリアと、弁護士報酬契約の取り決めと引き換えに、セジーニャ議員が上級裁判所の判事に連絡し、特定の案件に関する“依頼”を行うよう求めている様子が示されている。
<判事名も具体的に言及>
会話の中では、最高裁判事のヌニス・マルケス、アンドレ・メンドンサ、ジウマール・メンデスの名前が挙げられている。
ただし連邦警察は、「司法関係者が不正な利益を要求・受領したことを示す要素は一切存在しない」と強調している。
捜査報告書でも次のように記されている。
「会話に名前が挙がる判事らは、あくまで被疑者らが影響力を行使しようとした“想定上の相手方”として登場しているだけであり、容疑者として扱われているわけではない」
<最大200万レアルの“不正な利益”が交渉か>
さらにメッセージによると、セジーニャ議員が最高裁の特定案件の担当判事と“話をした”ことを証明する見返りとして、最大200万レアル(約6,000万円)の不正な利益が交渉されていた可能性があるという。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)



