ブラジル議会、週6日勤務制(6×1)の廃止を承認 労働時間短縮を定めた憲法改正案、可決される

2026年 10月 16日

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ブラジリア(DF) 2026年10月14日。6×1勤務制廃止の採決が行われた上院本会議(撮影:Lula Marques/Agência Brasil)

ブラジルで週6日勤務制(6×1)の廃止が承認され、週44時間から40時間への労働時間短縮を定めた憲法改正案
(PEC)が上院で可決された。この決定は国際メディアでも大きく取り上げられ、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ・ブラジル連邦共和国大統領にとって、決選投票(2回目投票)直前の「政治的勝利」として報じられた。

スペイン紙「エル・パイス」は、見出しで「数千万の労働者がブラジルで2日目の休日を獲得、ルーラにとって政治的勝利」と記述。

アルゼンチン紙「クラリン」は、「ルーラの政治的な一手:決選投票まで2週間を切る中、ブラジルが労働時間短縮を承認」と報じた。

同じくアルゼンチンの「ラ・ナシオン」は、今回の採決を「決選投票前のルーラの大きな賭け」と表現し、「元大統領ジャイール・ボウソナーロ氏の息子であるフラヴィオ・ボウソナーロ上院議員が、採決の48時間前に賛成票を投じると表明し、立場を転換した」と伝えた。

英国の経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は、ブラジル議会が「ラテンアメリカ最大の経済大国で、週6日勤務制を廃止する採決を行った」と報道。

同紙は、今回の採決が「決選投票直前のルーラにとっての勝利」であるとしつつ、企業団体が「コスト増につながる」と批判している点も紹介した。

さらに「週6日勤務制の廃止は、生産性と効率が向上した高所得国の労働慣行にブラジルを近づける」と分析している。

英国紙「ガーディアン」も、今回の承認をルーラの勝利と位置付け、制度変更が最大3,000万人に影響する可能性があると試算。「この提案は、薬局助手がTikTokで始めた『仕事の外にある人生(Vida Além do Trabalho)』というムーブメントが政治化され、後にこれをルーラが支持したものだ」と報じた。

<立場転換>

海外メディアは、ルーラ氏と決選投票で争うフラヴィオ・ボウソナーロ氏(自由党/PL)が当初は6×1廃止のPECに反対していたものの、採決直前に賛成へ転じた点にも注目した。

「ガーディアン」は、ボウソナーロ氏が立場を変えた後も「自分はもっと良い案を支持する」と述べ、実働時間に応じて賃金を支払う別案を長く主張してきたことを紹介している。

米国の通信社「AP通信」は、唯一の反対票が「ボウソナーロ政権で副大統領を務めたアミウトン・モウラォン氏によるものだった」と報じた。

APはさらに、フラヴィオ・ボウソナーロ氏の側近らが「彼の選挙戦に不利にならないよう、人気の高い法案の阻止をやめた」と伝えている。

<上院での承認>

上院本会議は14日(水)夜、6×1廃止のPECを採決し、賛成75、反対1で可決した。

当初反対していた野党も、ダヴィ・アウコルンブリ上院議長(União-AP)が本会議に議題を上げたことで賛成に回った。

下院・自由党(PL)のリーダー、ソステネス・カヴァウカンチ議員(RJ)はTV Jovem Panの取材に対し、フラヴィオ・ボウソナーロ氏が当選した場合、「実働時間制」を導入するPEC 12/2026を承認するだろうと述べた。

<PECの内容>

6×1廃止のPECは、週5日勤務・2日休み(5×2)の有給休暇を義務化し、賃金を維持したまま週40時間へと労働時間を短縮する。移行期間は14か月とされている。

憲法改正の公布から60日後、企業は5×2勤務制を導入し、週最大労働時間を42時間に引き下げる。その12か月後、週40時間へと最終的に短縮される。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)