アマリウドさんの行方不明事件をアムネスティ・インターナショナルが支援
2013年 08月 13日8月11日(日)、人権NGOアムネスティ・インターナショナルが、政府に対して事実の解明を求める署名運動の呼びかけを始めたことをAgência Brasiが伝えた。ホッシーニャ地区の住人で石工のアマリウド・ヂ・ソウザ氏が行方不明になってから、来る14日(水)で1か月になる。
ブラジルでは8月11日が“父の日”だったこともあり、アムネスティ・インターナショナルの人権担当Renata Nederヘナータ・ネデル氏は「この日は、われわれ全員がアマリウドさんの子供だというつもりでこの問題を考えましょう」と語った。
「彼の帰還を願い、この事件の解明を求めるだけでなく、同時に、他のケースで行方不明になっている未解決の事件についても言及したい」(ヘナート氏)
「麻薬売買にかかわった容疑をかけられたアマリウドさんが、警察の中のしかるべき部署ではなく、UPP/Unidade de Polícia Pacificadora (スラム街における常駐の軍警察治安維持部隊)に連行されたという点も問題です。このプロセスは正規のものではありません」(同)
「この日、UPPの出入り口にある監視カメラが作動していなかったというのも不自然。警察がいうようにアマリウドさんがUPPを出た、という確証が得られません」
ヘナート氏は失踪当日の警察車両のGPSが機能していなかったという話題にも触れた。
「結局のところ、これらのカメラやシステムは、ホッシャーニャの人々のために機能していません。これらのシステムは(防犯だけでなく)、警察が何を行っているのかを確認するためにあるものでもあります。警察の行動も透明にすべきです」(同)
「また、アマリウドさんや彼の家族に罪が被せられる可能性があったことも見逃せません。アマリウドさんと奥さんが麻薬密売に関係しているとガーヴェアにある15分署のRuchester Marreirosフシェステル・マヘイロス元署長は話しましたが、Orlando Zacconeオルランド・ザコーニ現署長は『証拠とされるブツを調べたが、必ずしもアマリウドさんと奥さんが密売にかかわっていることを示す証拠とはいえない』と語っています」(同)
アマリウドさんとその家族が巻き込まれている事件には、ふたつの大きな問題点があるという。
「仮に(100歩譲って)、アマリウドさんの家族が本当に密売に関係していたとしても、アマリウドさんが消えてしまうことの理由にはなりません。民主主義のシステムの中で正式に捜査されるべきです」(同)
「もうひとつの問題は、アマリウドさんを犯人に仕立て上げるということは、真犯人を隠したいためかもしれません。本当の密売人を追求しなければならないし、この一連の事件の責任者が誰なのかも明らかにすべきです」(同)
(文/麻生雅人、写真/Tânia Rêgo/ABr)
リオデジャネイロ、ホッシーニャのコミュニティ。アムネスティ・インターナショナルもアマリウドさん一家を支援している。奥さんのElizabeth エリザベッチと6人の子供たち、Anderson アンデルソン、 Emerson エメルソン、 Ana Beatriz アナ・ベアトリス、 Amarildo アマリウド、 Allisson アリソン、そして最年少のMilena ミレーナ