ペトロブラス贈収賄事件捜査で連邦検察、36名を起訴
2014年 12月 13日連邦検察庁は(12月)12日、連邦警察のラヴァ・ジャット作戦での捜査に基づき、ペトロブラス(PB)供給部を巡る犯罪行為に関与した人物36人を起訴した。
そのうち25人はPBとの契約の際に贈賄などを行っていた企業の上層部で、これらの企業には合計で10億レアルを超える賠償金の支払いも求められた。12日付伯字紙が報じている。
今回、検察庁が告発を行った容疑者は主に三つのグループに分けられる。
ひとつはPBとの契約で贈賄を行った企業の上層部でこれが25人。二つ目が事件の仕掛け人の闇ブローカー、アルベルト(アウベルト)・ユセフ容疑者と、その元で働き、資金洗浄などの不正を行っていた10人。三つ目はPB公務員で、具体的には2004~12年にペトロブラスの供給部長として贈収賄工作を操っていたパウロ・ロベルト(ホベルト)・コスタ容疑者だ。
コスタ氏は自宅軟禁状態だが、ユセフ氏を含む12人は身柄を拘束されたまま起訴された。この36人は汚職154件と資金洗浄105件などに問われている。
役員らが起訴された企業は、OAS、カマルゴ・コレア(コヘア)、UTC、メンデス・ジュニオル、ガルヴォン・エンジェニャリア、エンジェヴィクスの6社で、これらの企業はPBとの契約を確かなものにするために贈賄工作を行っていた。それらの金はユセフ容疑者やコスタ容疑者などの仲介者を通じて進歩党(PP)や労働者党(PT)、民主運動党(PMDB)の疑惑の人物に渡っていたとされている。
企業からの賄賂は、カマルゴ・コレアとUTCの8640万レアルやメンデス・ジュニオルの7160万レアルなど、総計2862万レアルに及ぶ。これら6社に求められた賠償金の総額は約11億8千万レアルに及んでいる。
だが、これはPBと契約した企業の贈賄疑惑の一端でしかない。1、2週間の内には、サービス部が管轄する事業を請け負ったオデルブレヒト、アンドラーデ・グチエレス、ケイロス・ガルヴォンの関係者とPBのサービス部長だったレナト・ドゥッケ容疑者らも起訴されることが確実視されている。
今回の告発にあたり検察庁は記者会見を行ったが、その席でデウタン・ダラグノル検察官は、これらの企業は「”クラブ”と呼ばれるグループがカルテルを組み、ペトロブラスを腐食させた」と強く批判した。その手口は「架空企業などを使って存在しない業務をでっちあげ、あたかも合法的な出費のように見せかけた」きわめて複雑で巧妙なものとされ、同席したロドリゴ(ホドリゴ)・ジャノー検察庁長官も「犯罪のお手本のようだ」と称した。
ダラグノル検察官によると、今回の告発は供給部での契約で行われた贈賄のみを対象にしたが、同様の手口は同公社の他の部署の契約にも及んでいると語った。ジャノー長官はこれらの容疑者たちは「伯人たちの誇りを奪い去った」と強い口調で語った。
(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Fabio Rodrigues-Pozzebom/Agência Brasil)
写真は元ペトロブラス供給部長、パウロ・ホベルト・コスタ容疑者