ドンファンの城
2013年 09月 10日今日は私がこれまで出会った中で、これぞ! というモテ男、ジョアンさん(仮名、推定40歳、独身)についてです。
ジョアンさんは、 ビジネス新聞にも写真入りで登場するような優秀な弁護士さん。大学でも教鞭をとり、出版だってしています(表の顔)。しかしプライベートは、頭に「近寄るな! 危険」の標識を立てたいほどの女たらしでございます。
見た目は、中肉中背、年相応のラテン人。おそらくジムに週2回は通っていると思われる体型に、高価そうなビジネスカジュアル。そして頭は当然、ハゲ! スキンヘッドに近い短髪、だけど体毛ありあり、となっております。
劇場やレストランで出くわすと、妙齢の着飾った美人さん(いつも違う)を連れていて・・・余計な一言二言、言いたくなります。しかも、それだけには留まらず、 家に連れ込む女性に関しては、年齢、美醜、貧富、人種などへのこだわり、ゼロとの噂。というか、本人も認めております。もはや尊敬すべき守備範囲の広さ&成功率の高さ、なのです。
そんな彼が主催した「親知らず抜いてモノが食えないから、プロセッコ呑んで騒いだるで! パーティー」に誘われ、初めて彼の自宅へ行った日のこと・・・。お住まいからして、「これぞ、独身ラテン男が口説く場所!」と感動したので、ご紹介させていただきます。
場所は、おしゃれなパーティー街から数本入った、娼婦なんかも立つちょっといかがわしさの漂う通りの手前にある古いアパート。その最上階が彼の城です。下層フロアは、「アパート建設時に入居した、耳の遠いセニョーラばかりだから、騒いでも問題なし!」とのこと。
玄関を入ると、広いリビング・・・基調の色は、黒白、そしてゴールド。なんというか、ヴェルサーチの世界? 家具は、巨大ミラー&レザーソファー&でかい抽象油絵! 全く・・・落ち着かない部屋です。
キッチンを覗くと、ばあや的なお手伝いさんが、「またぼっちゃんのパーティーが始まったわ〜」てな感じで、しゃれたつまみやらグラスやら出しています。
奥には、書斎&ウォークインクローゼット。オーダーメイドのパステルカラーやボールドなストライプシャツなどが、きっちりアイロンのかかった状態で並んでいます。しかも、「僕のパーソナルスタイリスト」まで鎮座しているではないですか・・・。妙齢のブロンド嬢、今日は友達としてパーティーに出席、だそうです。隙のない衣装は、彼を良く知る女性の手により生まれていたのですねえ。
バスルームには、当然? キャンドルが灯り、分厚いバスローブがかけられております。ベッドルームは、ドアが閉まっていたので、恐ろしくて覗いていません・・・。
どうですか。ここに連れ込まれた女性陣は、例え最初「うぎゃ、すげえヤル気っ!」と引いても、間接照明/キャンドル&こだわりステレオから流れるスムーズジャズをバックに、いいワインを呑みつつ、じーっと見つめられ、「君はどう思うの」「分かるよ」「それでどう感じたの」としゃべらされるうちに、すっかりヤツのペースに嵌るのではないでしょうか。
部屋がもうギラギラ押してくる感じなので、当人の肉食度? が薄められ、「私のことを分かってくれる、意外とロマンチックな人」に見えるのという仕組みなのですよ、きっと。
ちなみにパーティーの出席者のバラエティもすごかった。きれいどころに加えて、通常そこそこ地位と金のある人の家では見かけない、場末の飲み屋で出会った? と思わせる個性的で・・・面倒くさい人の多いこと。
明け方前にはなんと管楽器抱えた連中が到着しました。いくらなんでもホルン吹いたら、下の住人、起きるんじゃないかと思うのですが・・・。確かめるまで、居られなかった。すいません、弱っちょろくて。
しかし、それにしても、遊び方にも気合いが入っていますよ。よく働きよく遊ぶ。体力つけないとなあ・・・。