安倍首相、ブラジルのジウマ大統領と首脳会談。国連安保理改革にも言及

2013年 09月 8日

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9月5日(木)午前11時51分(日本時間5日16時51分)から約40分間、G20サミット出席のためにロシア・サンクトペテルブルクを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣(写真左)が、ブラジルのDilma Vana Rousseff ジウマ・フセフィ(ジルマ・ルセーフ)ブラジル大統領(写真右)と日・ブラジル首脳会談を行ったと、日本の外務省が報じた。

会談では国連安保理改革や国境なき科学計画などについても語られたという。

外務省発表による会談の概要は下記の通り。

1.二国間関係,経済分野での協力

冒頭、安倍総理から、ルセーフ大統領の来日を引き続きお待ちしている、日本とブラジルは基本的価値を共有するパートナーであり、歴史と伝統に培われた特別な信頼関係を今後も大切にしたい旨述べました。

これに対してルセーフ大統領より、訪日への期待を改めて述べつつ、アベノミクスが成功裏に成果をあげていることをお祝いしたい、かかる政策は金融危機の復興に取り組む先進諸国の手本になる旨述べ、さらに日本企業の対ブラジル投資への高い評価と一層の期待が示されました。

これに対して安倍総理からは、アベノミクスへの評価に対する謝意とともに、インフラ整備、防災分野での協力、国境なき科学計画に代表される人材育成等様々な分野において、日本として一層の協力をしていきたい旨述べました。

2.スポーツ・人的交流

安倍総理から、我が国も出場を決めた来年のワールドカップ及び2016年オリンピック・パラリンピック・リオデジャネイロ大会の成功を祈念する旨述べるとともに2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催への期待を述べたところ、ルセーフ大統領は,2016年のワールドカップでは日本とブラジルが決勝戦を戦うことができればすばらしい、東京開催決定をお祈りしたい旨述べました。

3.経済分野、G20

ルセーフ大統領より、G20における課題として、拡張的金融政策の今後の調整が新興経済国に与える影響を考えるための議論が必要であるとの発言があったのに対し、安倍総理からは、今回のG20の成長と雇用というテーマは時宜を得たもの、経済政策の透明性を確保していくことが重要である旨述べました。

4.国際情勢

安倍総理より、国連安保理改革に関して、実現可能な案を模索し、改革に向けたモメンタムを高めていくべく、引き続きG4間の連携が重要である旨述べたのに対し、ルセーフ大統領からは、安保理を改革してその正統性を高めることは、現下のシリア情勢への安保理の対応にみられるようにますます重要になってきていると述べるとともに、サイバーセキュリティに関しても多国間の枠組みを作っていくことが重要であると述べました。

(文/麻生雅人、写真提供/内閣広報室)