中央統一労組などがブラジル石油公社弁護集会を開催。集会場前では抗議活動家と乱闘おこる
2015年 02月 25日(2月)24日夕方、ルーラ前大統領が参加したペトロブラス(ブラジル石油公社、PB)を弁護するイベントの前に、労働者党(PT)の支持者とジウマ大統領の罷免を求めるグループが対立し、乱闘騒ぎが勃発した。
奇しくもこの日、ペトロブラスは世界的な格付会社のムーディーズからランクを二つ下げられ、「投資を控えた方が良いグループ」に落ちる屈辱を味わった。25日付伯字紙が報じている。
この日、リオ市中央部のブラジル報道協会(ABI)で行われたペトロブラス弁護のイベントは、中央統一労組(CUT)と石油労統一連盟(FUP)が主催したものだった。
このイベントは、ペトロロン問題などで支持率が急落、議会でも反対派に苦戦中のジウマ大統領を、依然として国民の人気が高く、18年の大統領選への再出馬も噂されるルーラ氏が改めて後押しする姿勢を公にアピールする意味があった。
だが、同イベントは開始前から波乱含みだった。
ブラジル報道協会(ABI)前のアラウージョ・デ・ポルト・アレグレ通りでは抗議活動家約500人がジウマ大統領罷免を叫ぶマニフェスタソン(抗議活動)を行っていた。
そして18時頃、この抗議活動家たちと、親・労働者党(PT)派のCUT組合員との小競り合いが少なくとも2度起き、双方が殴る蹴るの乱闘が起きた。この時点ではルーラ氏は会場に着いていなかったが、この騒ぎは「ルーラ氏の後押しで反撃」と意気込んでいた労働者党(PT)側の出鼻をくじくものとなった。
奇しくもこの日、世界3大信用格付会社のひとつのムーディーズが、ペトロブラス(ブラジル石油公社)の格付を「Baa3」から「Ba2B」に落とした。これは同公社にとっては大きな痛手だ。
スタンダード&プアーズとフィッチの二つもラヴァ・ジャット作戦により判明した汚職事件への懸念や負債増大、14年第3四半期の決算報告未承認などで格付けを下げていたが、現時点ではまだ「投資を推薦する」最低レベルは保っていた。
だが、ムーディーズは今回ランクを二つ下げ、「投資をよく考えた方が良い」の上から2番目のレベルに落とした。
ムーディーズが格付を引き下げた結果、サンパウロ証券取引所(Bovespa)でのペトロブラス(ブラジル石油公社)優先株式は、25日午前11時の時点で8%以上、午後2時現在も6.49%の下落を記録した。
ルーラ前大統領は前述のイベントで「ジウマよ。選挙に勝ったことを思い出して顔を上げろ」「ラヴァ・ジャットは連邦警察や裁判所の問題であって、ジウマのものではない」と語って激励したが、ペトロロンによる同大統領へのダメージ回復は容易ではない。
(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil、上から2番目/Ricardo Stuckert/Instituto Lula)