女性が一人で旅をするには危険な国、ブラジルがワースト2位に

2015年 03月 6日

サルヴァドール

英語圏で最大の購読者を持つといわれる、なにかとお騒がせなタブロイド紙「デイリーメール」の電子版が、女性の一人旅が安全ではない国のリストを発表した。

このリストでブラジルが上位にランキング。1位のインドに続き第2位に位置していると、現地メディア「G1」が報じた(2月24日づけ)。

「デイリーメール」は、「女性旅行者にとって最も危険な場所」に関する報告書に、女性の観光客が ”女性嫌い、ハラスメント、極端な場合には危険” にさらされる可能性のある10ヶ国を挙げている。

リストにはトルコ、タイ、エジプト、コロンビア、南アフリカ、モロッコ、メキシコ、ケニアも含まれていた。

ブラジルに関する説明部分では、レイプの数が2009年から2012年のあいだで157%増加しているというブラジル保健省によるデータを紹介。男尊女卑の文化に拍車をかけたと同サイトは述べている。

また、武装強盗や性的暴力についても言及、2013年にリオデジャネイロで、バンの内で集団レイプ被害に遭ったアメリカ人観光客の例を挙げている。

これらの国への旅行は安全であれば解放的な経験となるかもしれないが、ほとんどの場合は注意が必要だとも記された。

「女性旅行者がブラジルに行くのとデンマークに行くのとでは、大きな違いがあります。少なくとも我々は、危険であるかどうか正直に公表します」と国際女性旅行センターの共同創設者ジュリー・クロイツェルさんは記事中で語ったという。

信ぴょう性に関してはなにかと噂も多いタブロイド紙「デイリーメール」の記事でもあるし、「女性が一人で旅をするには危険な国、ブラジルがワースト2位」という結果を鵜呑みにするかどうかは、記事を読んだ人の判断次第。ただしこの記事に関しては、実際に起きた事件の事例もあげている。「2位」かどうかはさておき、危険がまったくないとはいえないことは事実だろう。

しかし、いずれにせよブラジルは、実際には訪れる価値のある、素晴らしい面がたくさんある国だ。信用できる現地の友人と合流して行動するなど、リスクを減らす工夫をして安全にひとり旅をしている女性だっていないわけではない。また、州や都市、地域によっても安全面での環境は大きく異なり、決してブラジル全土が同じレベルで危険ということではないはず。ブラジルを旅行する際、まずは訪問する地域に関する最新の情報を収集しておくことは、安全対策の基本といえそうだ。

(文/柳田あや、写真/Tatiana Azeviche (04/03/2014))
写真はサルヴァドール市、2014年3月。安心して旅行を楽しめるように環境や安全の改善に取り組んでいる自治体も少なくない