サントス燃料タンク火災、経済と環境にダメージ与える
2015年 04月 11日4月2日(木)にブラジル、サンパウロ州サントス市アレモア地区で発生したウートラカーゴ社の6台の燃料タンク火災は10日(金)に鎮火。死亡者は出なかったが、自然環境と経済に影響をもたらした。現地メディア(「G1」10日づけ)が伝えている。
消防隊は9日間の消火活動で、海からくみ上げた海水など約80億リットルの水を使った。消火で汚染された水は海に流れ、何千匹もの魚が死んだ。
サントス市のパウロ・アレシャンドリ・バルボーザ市長(ブラジル社会民主党:PSDB)は市内の自動車の交通に影響を与えないように6日(月)、サントス港へのトラックの交通を制限、この裁量はトラック運転手たちは不平を漏らしていた。サンパウロ州沿岸貨物輸送商業組合(SINDSAN)によるとトラックの交通規制は1日あたり250万ヘアイス(レアル)の損失を生んだとのこと。
また火災が続いた間、サントス市内を巨大な煤の雲が多った。住民のひとりは、火災前と火災が起きてからの明らかに異なるプールの画像を公開している。サントス市の数十名の住民が呼吸器系の問題で医療機関にて診断を受けたという。
今回の燃料タンク火災は、火災の発生当初から炎の温度が800度を超えており、消火活動は困難を極めたという。熱のため、火元に水が届くまでに水が蒸発してしまうため、タンクの冷却に水が大量に使われることとなった。
今回の火災が起きたのは2日(木)の朝10時ごろ。火災の範囲は183.871平方メートルに及んだ。負傷は15名。6台の燃料タンクのうち、5大にガソリン、1台にエタノールが保管されていた。タンクの容量は各600万リットルだった。
(文/麻生雅人、写真1番目/Corpo de Bombeiros da PMESP、写真2番目~4番目/Edson Lopes Jr./A2D)
写真1番目は6日(月)、火災現場で汚染された水。2~4番目は10日(金)、鎮火後の現場。消防隊は念のため作業を続行している