ホームレスの男性、テレビ出演がきっかけで路上生活から脱出
2015年 07月 26日TVグローボが7月24日、朝のニュース番組「ボンジーア・ブラジル」で伝えたところによると、サンパウロの路上で2年間生活していた男性が、テレビ中継への出演をきっかけに路上生活から脱出したという。
きっかけとなった番組は7月16日に放送されたTVグローボ「ボンジーア・ブラジル」だった。
放送から1週間後、男性は放送を見た旧友の助けを得て、路上生活から抜け出すことができたという。
この男性、クレイトン・フェヘイラさんは16日、寝泊りの場所をサンパウロ大通りに移そうとしているところを番組に取材された。クレイトンさんは番組で、比較的治安が良いパウリスタ大通りに引っ越す路上生活者は他にもいる、と語っていた。
その1週間後、クレイトンさんは屋根の下で旧友に囲まれ、人間らしい生活を取り戻した。
クレイトンさんをテレビで見つけた友人のリヂアさんは、髪や髭が伸びていても番組が彼の名前を報じる前に、誰だかわかったという。
リヂアさんとクレイトンさんは若いころからよく一緒に遊ぶ仲間だった。ある日クレイトンさんの家族がサンパウロ州のサント・アンドレ市から同州のヒベイラゥン・ピーレス市に引っ越してから交流は途絶え、15年間会っていない状態だった。
同じ仲間だったエンヒッキさんもテレビを見てクレイトンさんの状況を知った。エンヒッキさんは仕事の合間にパウリスタ大通りを歩き、昔の仲間と一緒にクレイトンさんを見つけた。
どうして路上に住むことになったのか、という質問に対して、クレイトンさんはこう答えている。
「母が死んだあと1年ほど兄の世話になったのだけど、家庭内に暴力が絶えなくて、私も何度か頭を殴られました」(クレイトンさん)
クレイトンさんは助けてくれた仲間たちに一つだけ頼みごとをした。路上で生活していた頃の友人たちを助ける事だった。
「私たちは皆、自分の人生には価値があると思っています。人生をもっと価値あるものにするには、今度は他の人を助けるべきだと思っています」(クレイトンさん)
クレイトンさんは現在、視力が極端に低下している状態で、近々コンタクトレンズを作るのだという。
「コンタクトレンズができたら、コンピューターを組立てる仕事に就きたいですね」(クレイトンさん)
(文/余田庸子、写真/Reprodução/Bom Dia Brasil/TV Globo)
写真は「ボンジーア・ブラジル」より。TVグローボのニュース番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴のお問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで)