“サッカーの王様”が初のバロンドール受賞に感涙

2014年 01月 15日

ペレバロンドール

1月13日(月)、スイスのチューリッヒで「FIFAバロンドール2013」の授賞式が行われ、ペレが「すべての時代における最優秀選手」としてバロンドール特別賞を受賞したと14日付け「プラカール」、「iG」(すべて電子版)などが伝えた。

ペレにとって、初のバロンドールだった。実は、”サッカーの王様”はこれまでバロンドールを受け取ったことがなかったのだ。

バロンドール(フランス語で”黄金のボール”)とは1956年にフランスの雑誌「フランス・フットボール」が創設した賞で、タイトル通り金色のボールの形をしたトロフィーが贈られる。当初はヨーロッパの優秀なサッカー選手に贈られる賞だった。授与される選手の国籍が広がったのは1990年代半ばで、欧州サッカー連盟のクラブに所属する選手が授与対象となった。その後同賞は2010年に、FIFAの「FIFA最優秀選手賞」と統合され、世界中の優秀選手に贈られることになった。ペレが現役生活を退いたのは1977年で、ペレが活躍したのは南米の選手がバロンドールを授与できる前のことだった。

ペレは、初のバロンドールを手に、感動のあまり涙までして語ったという。

「泣かないと家族と約束していたのですが...感極まってしまいました。私たちの時代はバロンドールは、ヨーロッパの選手はもらえるのに南米の選手はもらえなかったから、実はずっと羨ましかったんです(笑)。ようやく自分のコレクションに加えることができて、とても嬉しいです。この賞を家族と、共にプレイした全員と、応援してくださったすべての人と共有したいと思います」(ペレ)

FIFAは授賞式で、ワールドカップ2014年ブラジル大会の開催12都市のビデオを紹介したほか、1月5日に71歳でこの世を去った元ポルトガルのエウゼビオ・ダ・シルヴァ・フェレイラ元選手を追悼した。

(文/麻生雅人、写真/Bongarts/Getty Images)
写真はチューリッヒ、1月13日。FIFAのゼップ・プラッター会長から初のバロンドールを授与されたペレ