ブラジルのリアリティショー「Big Brother Brasil」シーズン14放送開始

2014年 01月 25日

BBB14

「BBB」は、TVグローボの長寿番組のひとつ。いわゆる“リアリティ番組”。正式には、「Big Brother Brasil」というリアリティ番組である。

2014年で14年目を迎えるこの番組は、ひとつの大きな家に10~20人ほどの若い一般人男女を同居させて3ヶ月間、施設内のさまざまな場所に備え付けられた隠しカメラを通して24時間撮影。その内、約1時間分の彼らの様子を毎日放送するという、とんでもない暇な番組だ。

近年、世界中でシェアハウジングが流行ってきているが、いわば番組の施設はまさにシェアハウス。食事をするところから、恋をしたりケンカをしたり仲直りをしたりするところまで、彼らの生活のすべてが映し出されるというわけだ。

家にプールが備え付けられていて、女性陣はプールサイドで水着になって女子トークをしていることが多い。かと思えばシャワールームで気になる女子にマッサージしてあげる男性がいたりと、カップルが育まれる過程もリアルタイムで描かれるのだ。

しかし、アメリカ合衆国発の「テラスハウス」や「MTV Jersey Shore ~マカロニ野郎のニュージャージー・ライフ~」など、同じ類の番組は世界中にある。この「ビッグ・ブラザー」自体も、元々オーストラリアにあった番組だ。90年代後半に始まり世界中で話題になり、合衆国(2000年~)、イギリス(2001年~)など、今や各国版が制作されている。ブラジル版が始まったのは2002年。今年、いよいよシーズン14が始まる。

ところが、ブラジル版「BBB」では、ほぼ毎週1名、家を去らなければならない脱落者が出るというのが面白いところ。最後まで残った3名が賞金を受け取ることができ、内1名がグランプリに選ばれるというゲーム方式になっている。この脱落者の決定には視聴者の投票も反映されるので、出演者は視聴者から嫌われたらオシマイだ。ハウスの中で本気で生活しながらも、視聴者が自分をどうジャッジするかどこかで意識していて駆け引きをしなかえればならないし、視聴者も、より番組にのめり込めるのだろう。

また、番組からは多くの有名人も排出している。シーズン9のマイア・カルヂ、シーズン10のカカウ、シーズン11のアリアーヂナ・アランチス(実はトランスセクシャルだったことでも話題に!)、シーズン12のヘナータ・ダヴィラなど、その後、「プレイボーイ」や「VIP」などの雑誌のカバーガールを務めたり、サンバ・カーニバルにハイーニャ・ヂ・バテリア(打楽器隊の女王)に起用されている。

でも、ブラジルの「BBB」の見どころは、やはりハウス内での出演者同士の本気のぶつかり合いだろう。彼らは撮影されていることを知っているはずだが、閉ざされた家の中で生活しているとそんな事は忘れてしまうのか、喧嘩や口論、色恋沙汰はいつだって本気に見える。昨日、大ゲンカしていたかと思えば翌日にはケロっとしていたり。その時、その瞬間をいつも感情むき出しでぶつかり合う姿がブラジルらしいのかもしれない。

(文/加藤元庸、写真/Globo/Frederico Rozario)
「Big Brother Brasil」シーズン14はTVグローボ・インターナショナル(http://www.ipctv.jp/)にて連日、夜10時ころから放送。