【大阪・関西万博】4月16日、ブラジルパヴィリオンがオープン
2025年 04月 16日
大阪・関西万博では、開館が延期されていたブラジルパヴィリオンが、開幕から4日目となった4月16日(水)、一般公開向けに開館した。
当初は予約制で運営を開始したが、変更して予約が不要になったとのこと。
開幕から3日間は、予約抽選に当選していた来場者が現地ではじめて開館が延期されていることを知ったうえ、万博主催者による代替枠の発行などの対応もなかったことから、2025年日本国際博覧会協会への不満がSNS上で飛び交っていた。
一般公開に先駆け15日(火)に開催されたオープニングレセプションでは、ブラジル輸出投資振興局(APEX)のジョルジ・ヴィアナ長官や、パヴィリオン内の設計を手掛けた美術監督のビア・レッサ氏、ブラジル外務省のラウデマール・アギアール大使、ヴァーリ文化財団のウーゴ・バヘット会長などが参加。
歌手の松田美緒は、マルセロ木村、笹子重治の演奏でブラジル国家、ゴンザギーニャの「明日の種」、ヴィラロボスの「田舎の列車」を歌った。

パヴィリオンを運営するAPEXのヴィアナ長官は「これは文化とイノヴェーションのポテンシャルの面で私たち(ブラジル)のグローバルイメージを強化するために効果的な機会です。ビア・レッサはアートを通じてブラジルの魂を表現します」と語った。

美術監督のビア・レッサ氏が手掛けたアトラクションでは、映像と、ともすれば不気味にすら思える立体的なオブジェを駆使して、地球温暖化により危機に瀕している現在に警鐘を鳴らす。
次の「パランゴロモスの部屋」では、来場者にパランゴロモスと呼ばれるポンチョのような衣装が配布され、手などにボディペインティングを行うサービスもある。
パランゴロモスは、1960年代末の芸術運動トロピカーリアの中心人物エリオ・オイテシカの作品である“パランゴレー”と、天女がこれを着て自由に空中を飛ぶといわれている日本の“羽衣”を融合した作品とのこと。

ビア・レッサは「バラエティーに富んだデザインと色彩のポンチョを羽織った来館者もパヴイリオンの一部になります。そして私たちひとりひとりが“種”となり、ともに地球の環境を変えていく一歩にしていきましょう」と、コンセプトを語った。

大パネルでは、多様な自然を誇り、多様な人種で構成され、多彩な文化を持つブラジルが映像で紹介される。

パヴィリオン前のスタンドでは、ミナスジェライス州モンテアレグレ農園産のコーヒーや、アサイースムージードリンク、トロピカルフルーツのジュースが販売されている。
大阪・関西万博は10月13日(月)まで阪市の人工島「夢洲」で開催される。
(文/麻生雅人)