ブラジルの数学オリンピック、683名が金メダルを獲得

2025年 07月 1日

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数学オリンピックを主催する純粋・応用数学研究所(IMPA)(写真/Tania Rego/Agência Brasil)

第19回ブラジル公立学校数学オリンピック(OBMEP)の全国表彰式が月曜日(30日)に開催され、公立および私立の生徒8,496人にメダルが授与された。さらに51,002人の生徒が優秀賞の賞状を受け取った。

ブラジル全土の連邦制を構成する州・区から5,564の自治体(99.9%)の代表者と、合計56,513の機関が今大会に参加した。

683名の学生が金メダル、1,962 名が銀メダル、5,851 名が銅メダルを受賞した。金メダルは、公立学校からは500人、私立学校からは183人が獲得した。州別では、サンパウロ州が金メダルの獲得数(158個)が最も多く、次いでミナスジェライス州(93個)、リオグランジドスウ州(71個)となった。

ブラジル教育省(MEC)によると、今年のオリンピックは、1,850万人を超える学生が参加し、過去最高の参加率を記録した。

リオデジャネイロ西部にあるホテルで開催されたこのイベントは、純粋・応用数学研究所(IMPA)が主催した。

「この大会は、成功へのカギです。何百万人もの少年少女が参加すのも不思議ではありません。私たちが目指すのは、この活動が子どもたちの人生を変えるきっかけとなることです。家族の多大な協力により、生徒たちがこの学びに夢中になり、探求する場所となるなのです」と科学技術革新省のルシアーナ・サントス大臣は述べた。

「数学は“ブギーマン”ではありません。複雑に見える科学を結びつけるメソッドと刺激を生み出せる限り、数学は誰もが学べる可能性のある、誰もがアクセスできるものなのです」と大臣は付け加えた。

メダリストはジュニア・サイエンティフィック・イニシエーション・プログラム(PIC)への参加に招待され、数学の知識を深めることができる。公立学校の生徒には300レアルの奨学金が支給される。

「これは連邦政府が行っている公共政策の一例ですが、20年を経て、確実に成功した政策です。全国の若者の生活を変えてきました。さらに20年先の成功に向けての準備ができています」とIMPAのマルセロ・ヴィアナ事務局長は述べた。

数学オリンピックの会期中、カミーロ・サンターナ教育大臣は「全国数学コミットメント」プログラムの開始を発表した。連邦政府は同プログラムを通じて、数学教育の質と生徒の成績向上に向けた取り組みを推進する。

「公立学校制度が数学教育において抱えている困難について、認識しています。前回のPISA(国際学習到達度調査)では、受験した15歳の生徒の70%以上が十分な学習ができていないことが示されました。ブラジルが抱える課題を想像してみてください。私たちは今、教員研修を支援し、基礎教育制度に技術的・財政的支援を提供するためのプログラムを立ち上げます」と大臣は述べた。

サンターナ大臣は、このプログラムを策定するにあたり、教師、学校長、教育長官らと協議したと述べた。また、教育委員会は地域格差の是正と基礎教育における教育評価システムの調整を図り、教育ネットワークにおける意思決定を支援することを目指す、としている。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)