世界で最もパン屋が多い国はブラジル!?
2025年 10月 16日

10月16日は「世界パンの日」にあたる。サンパウロ州の製パン・製菓業界団体「サンパパン」によると、ブラジルは世界で最もパン屋が多い国であり、7万店以上が存在する。そのうち約3万2千店が国の南東部に集中している。
ユーロモニターが「サンパパン」の依頼で実施した調査によると、ブラジルでは年間約24億件の買い物がパン屋で行われ、2023年には業界全体で1,781億レアルを売り上げ、7.6百万トンを生産した。
今後3年間で、パン、菓子、デザート用ミックス、冷凍焼成品、ケーキを含むブラジルの製パン市場は2,100億レアル規模に達すると予測されている。
<サンパウロのパン屋では朝食価格が最大540%変動>
サンパウロ州消費者保護局(Procon-SP)が、が州都サンパウロ市を含む11都市のパン屋で実施した調査により、朝食メニューの価格が店舗によって大きく異なる実態が明らかになった。
例えばブリオッシュパンは、サン・ジョゼー・ドス・カンポス市内の2つのパン屋で購入した場合、最大で5倍の差があった。ある店舗では16レアルで販売されていた一方、市内で最も安い価格は2.50レアルだった。つまり、購入場所によってこの商品の価格差は540%に達することになる。
一方、ドリップコーヒーは151%の価格差があり、プレジデンチ・プルデンチ市では平均3.83レアルで見られたのに対し、州都サンパウロ市では同じ商品が平均9.61レアルだった。
また、ポンデケイジョは118%の差があり、最も高い平均価格はサンパウロ市(9.44レアル)、最も安いのはプレジデンチ・プルデンチ市(4.33レアル)だった。
ブラジル人に最も好まれているパンフランセーザ(※バゲットとは異なるブラジル特有のパン)1キロの価格も変動が見られ、同じ都市内でも差があった。例えばサンパウロ市東部では平均23.29レアルで購入できるのに対し、西部では24.35レアルに上昇していた。
サンパウロ市内の各地区では、バターを塗って鉄板で焼いたパンとドリップコーヒーのセットが、組み合わせ商品の中で最も変動が大きく、価格差は27%に達した。
バウルー市では、ポンデケイジョとドリップコーヒーのセットが組み合わせ商品が最も大きな変動を示し、200%を超える差があった。調査対象となった、あるパン屋では14レアルで販売されていたのに対し、別の店舗では4.60レアルだった。
この調査は9月23日から26日にかけて実施された。サンパウロ市内だけでも全地域にわたり50のパン屋が訪問され、さらにプレジデンチ・プルデンチ市、アラサトゥーバ市、サン・ジョゼー・ドス・カンポス市、ヒベイロン・プレット市、サン・ジョゼー・ド・リオ・プレット市、バウルー市、ソロカバ市、サントス市、サン・ヴィセンチ市、カンピーナス市の各都市でも調査が行われた。
Proconは消費者に対し、パン屋で製造される商品の価格、消費期限、重量、原材料を確認するよう呼びかけている。価格は明確に掲示される必要があり、棚とレジで異なる場合は安い方が適用される。パンフランセーザは重量単位で販売されるべきであり、カード決済に最低購入額を設定することは認められていない。
価格や接客に関する苦情は、Proconの公式サイトで受け付けている。その他の衛生面に関する不正は、市の衛生監視局に通報するよう求めている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)



