ボウソナーロ前大統領、足首の電子監視装置を違法解錠を試みて身柄を拘束される
2025年 11月 23日

ボウソナーロ前大統領、足首の電子監視装置を違法解錠を試みて身柄を拘束される
モラエス判事は弁護側に24時間以内の回答を要求
ブラジルのジャイール・ボウソナーロ前大統領が、足首の電子監視装置を解錠しようとして溶接機を使用したことが明らかになった。ブラジル連邦区州立刑務管理局(Seap)が作成した報告書と、ボウソナーロ氏自らが破損を認めている映像が、最高裁判所(STF)に提出された。
「好奇心だった」とボウソナーロ前大統領は述べ、試みが行われたのは11月21日(金)夕方だったと説明している。
22日(土)午前0時07分、電子監視統合センター(CIME)のシステムが電子監視装置の違反アラートを発した。その後、同日朝にボウソナーロ前大統領は連邦警察により身柄を拘束された。
最高裁のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事は、Seapの報告書と映像の非公開措置を解除し、ボウソナーロ前大統領の弁護側に対し、足輪の電子監視装置違反行為について24時間以内に回答するよう命じた。
報告書には「装置には明確かつ顕著な損傷の痕跡があった。ケースの嵌合・閉鎖部位を含む全周に焼損の跡が認められた。分析時、監視対象者に使用した器具について質問したところ、溶接機を用いて装置を開こうとしたと回答した」と記されていた。
電子監視装置は、新たな機器に交換された。
また、21日(金)には、フラーヴィオ・ボウソナーロ上院議員(自由党)はSNSを通じて、父ジャイール・ボウソナーロが8月4日以来自宅における軟禁刑の執行を受けていた住宅近くで、祈りの集会を開くよう呼びかけていた。
警戒拘禁を命じた最高裁判所(STF)のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事は、足首の電子監視装置の違反を指摘し、この集会が混乱を招き、さらには「被告人が逃亡を企てる恐れがある」と述べた。
ボウソナーロ前大統領は、クーデター計画に関する刑事訴訟で27年3か月の禁錮刑を言い渡されており、他の被告とともに、今後数週間以内に刑の執行が開始される可能性がある。
先週、最高裁第一小法廷は、前大統領と他の6人の被告が提出した判決補足申立てを退け、判決の覆しや刑の執行回避を認めなかった。
23日(日)には、弁護団による最終的な上訴の期限が切れる。上訴が退けられれば、刑の執行が行われる。
前大統領の弁護団は22日(金)、ジャイール・ボウソナーロ前大統領に対する人道的な自宅拘禁の認可を求めたが、モラエス判事は翌23日(土)にこれを却下した。弁護団は、ボウソナーロ氏が「集中的な医療管理を要する恒常的な疾患」を抱えているため、自宅拘禁を継続すべきだと主張していた。
今回の警戒拘禁について、弁護団は控訴するとしている。
ボウソナーロ前大統領はすでに最高裁が定めた司法上の制限措置に違反したため、自宅拘禁下に置かれていた。これらの措置は、連邦下院議員エドゥアルド・ボウソナーロ(自由党・サンパウロ)が、米国大統領ドナルド・トランプ政権と連携し、ブラジル政府や最高裁判事に対する報復措置を推進した疑いで捜査されている事件の中で決定されたものだった。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




