薬物依存者の巣窟となった、かつてのサンパウロの映画の都

2025年 09月 9日

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写真は2024年6月24日、サンパウロ市。クラコランジアに、薬物依存者のための区域を区切るためのフェンスが設置された(写真/Paulo Pinto/Agência)

今週月曜日(9月8日)、TVブラジルは午後11時から報道番組「報道の足跡」の新エピソードを放送する。今回のテーマは「クラコランジアの領域」。番組では、サンパウロ市にある、(現在は薬物依存者、路上生活者が集まるクラコランジアと呼ばれる)この地域の歴史と、その地域の在り方や将来をめぐる論争について取り上げる。

クラコランジアとして知られる以前、この地域は1920〜30年代にかけて、国際的な映画スタジオが集まるブラジルの重要な映像産業の中心地だった。

研究者によると、これらの企業はその後も文化産業関連の分野を引き寄せ、1960年代末には「ボッカ・ド・リッショ」と呼ばれる独立系映画やポルノコメディ映画の拠点として知られるようになった。

この時代の象徴のひとつである「グラフィカ・シネランジア」は、約100年の歴史を持っている。共同経営者のオジロン・メロ氏は、当時の街が多くのバーやナイトクラブが並ぶボヘミアンな雰囲気の場所だったと振り返る。

人類学者であり、薬物依存者への支援活動を行うホベルタ・コスタ氏は、10年以上この地域で活動してきたと語る。

「クラコランジアは都市における“混乱の小部屋”です。他の場所に居場所がない、歓迎されない人々がここに集まってくるのです」と彼女は述べ、現場での経験から、状況を解決するとして繰り返される強制的な取り締まりに批判的な立場を示している。

2017年には600人以上の警察官が動員された大規模作戦が実施され、薬物依存者への暴力が報告された。さらに、市と州政府は建物の閉鎖や一部の解体を進め、新たな住宅や公共施設の建設を目指している。

サンパウロ市のエジソン・オルテガ戦略プロジェクト担当官は、建物の閉鎖の一部は犯罪組織による利用を防ぎ、地域に低所得者向け住宅を建設するための措置だと説明する。

サンタ・セシリア地区に住み、クラコランジアに隣接する地域でカフェを営むウィリアンス・オターヴィオ・ピリス氏は、5月以降、店舗前に路上生活者が増えたと語る。「状況はかなり変わりました。今では日常のあちこちでその姿を見かけます」(ウィリアンス・オターヴィオ・ピリス氏)

長年、依存症患者のための医療プロジェクトに携わってきた精神科医フラヴィオ・ファルコーネは、地域での施策に対して批判的な立場をとる。

「私には、目的が“ケア”ではなく、彼らを中心部から排除することだとはっきり見えます」(フラヴィオ・ファルコーネ氏)

一方、サンパウロ州政府の統合指令センターを統括する軍警察のホドリゴ・ガルシア・ヴィラルジ中佐は、これらの施策によって地域の犯罪が減少し、依存症患者の医療アクセスが向上したと番組に対して述べている。

「これは継続的な取り組みであり、油断してはならない。そうでなければ、またしても市民の信頼と希望が失われてしまう」と説明している。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)