中東情勢の緊迫化を受けて、ブラジル石油・ガス・バイオ燃料協会が警戒を呼び掛ける

2026年 03月 4日

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3月2日、テヘラン(イラン)。イラン赤新月社(IRCS)は、米国とイスラエルによる一連の攻撃により、国内で少なくとも555人の民間人が死亡したと発表した(写真/RS/via Fotos Públicas)

中東での武力衝突が深刻化すれば、石油・ガス市場に影響が及ぶ可能性がある――。ブラジル石油・ガス・バイオ燃料協会(IBP)は声明で、ホルムズ海峡の封鎖リスクを最大の懸念として挙げ、警戒を呼びかけた。

ホルムズ海峡では、世界の原油輸出量の約25%が日々通過しており、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、オマーンといった産油国からの天然ガスも大量に輸送されている。

IBPは、こうした状況が続けば原油・天然ガス価格の不安定化が避けられないと指摘。さらに、地域のインフラが攻撃を受けたり封鎖されたりすれば、中国、インド、日本などアジアの主要経済圏の供給に深刻な影響が出る可能性があるとした。

声明では次のように警告している。

「こうした武力衝突が長引けば、アジア経済の競争力低下と、石油・天然ガス価格への圧力が直接的な結果として表れるでしょう」(IBP)

こうした中で、ブラジルは安定したビジネス環境を背景に、安全で信頼できる供給国として存在感を高めている。IBPによると、ブラジルは「硫黄分が低く、炭素排出量も少ない高品質の原油を提供できる」としている。

ブラジルは近年、生産量を拡大しており、現在は世界9位の原油輸出国。輸出量の67%をアジア向けが占めている。

また、IBPは、地政学的な不安定さが続く状況下では、ブラジルが探鉱・生産分野への投資を継続することが重要だと強調している。とくに、赤道縁辺地域(エクアトリアル・マージ ン)の油田地帯のような新たな資源フロンティアの開拓が不可欠だとしている。

「こうした取り組みは、エネルギー安全保障の確保、輸出供給力の拡大、そしてブラジルが次の10年に再び原油輸入国へ逆戻りする事態を避けるために欠かせません」(IBP)

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)