サンパウロ州内陸部のサトウキビ農場で、奴隷的環境の労働者35人を救出
2026年 05月 27日
5月20日、ブラジル労働雇用省(MTE)が実施した取り締まりで、サンパウロ州内陸のガブリエウ・モンテイロ市にある農場から、奴隷的環境で働かされていた労働者35人が救出された。
監督官によると、労働者たちはサトウキビの手作業による刈り取りに従事しており、その中には17歳の少年も含まれていた。いずれも、雇用記録の記載が義務づけられている「労働手帳(Carteira de Trabalho)」に記載がなく、正式な雇用契約は結ばれていなかった。
調査によると、労働者たちは北東部やサンパウロ州内陸で「正式契約と適切な宿泊施設がある」と勧誘され、農場主に雇われた請負業者によって集められていた。しかし実際には、農場ではファカォンと呼ばれる農作業用の大型なたを使ったサトウキビの手刈り作業を強いられ、炎天下や雨の中で立ちっぱなしの状態で働かされていた。勤務は月曜から日曜まで休みなしだったという。
現場では、トイレや食事を取る場所がなく、労働者たちは地面や畑の中に座って食事をとらざるを得なかった。
労働省は次のように指摘している。
「ブーツ、手袋、すね当てといった個人用防護具は一切支給されておらず、帽子や日焼け止めなどの紫外線対策もなかった。作業現場への移動は、労働者輸送の許可を持たないバスで、安全基準を満たさない状態で行われていた」
労働者たちは隣接する市にある2軒の借家で生活していたが、そこには古いマットレスや部屋の中に設置されたコンロがあり、寝具や毛布、収納家具もなかった。
監査チームは即時の作業停止と、雇用主側の責任による労働者の解雇を命じた。救出された労働者はホテルに移され、帰郷の費用は農場主が負担する。彼らは失業保険の受給資格を得る。
農場主は労働検察庁(MPT)および連邦公的弁護局(DPU)と行動調整契約(TAC)を締結し、個別の精神的損害に対して11万レアル(約350万円)、集団的損害に対して15万レアル(約476万円)を支払うことに合意した。すでに解雇補償金として41万5,012.45レアル(約1320万円)が支払われている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




