リオで79歳女性、半世紀にわたる奴隷的労働から救出される
2025年 10月 21日
ブラジルのリオデジャネイロ市西部パードリ・ミゲウ地区で、79歳の女性が50年以上にわたり奴隷的労働に従事させられていたとして、労働雇用省(MTE)に救出された。現地メディア「アジェンシア・ブラジル」、「G1」、「UOL」などが伝えている。
救出作戦には労働検察庁(MPT)と連邦警察(PF)が協力し、司法当局の許可を得て住宅に立ち入った。
当局によると、女性は同じ家庭で半世紀以上にわたり住み込みの家政労働を続けていたが、雇用契約は一度も結ばれず、休日や労働者としての権利も与えられていなかったという。
彼女は100歳を超える雇い主の女性を昼夜を問わず介護し、夜間も何度も起きて排泄の介助を行っていたという。監督官らは、女性が心疾患を抱えながらも24時間体制で働き続け、雇い主と同じ部屋で寝起きしていたことを確認。介護は途切れることなく、完全に休息を奪われた生活だったと指摘した。
「G1」は、救出作戦を指揮したバルバラ・ヒゴ監督官による「過重労働が確認されました。これは奴隷的労働に相当する要素の一つです。被害者は高齢で心疾患や歩行の問題を抱えながら、さらに年長の雇用主を昼夜問わず介護していました。夜間には1晩で4回もトイレに付き添っていたのです」というコメントを伝えている。
また、「Agência Brasil」によると、連邦政府はこの状況を「奴隷的労働」に該当すると認定し、被害者には特別失業保険の受給資格が与えられるという。さらに、雇用主には労働契約の正式登録と、過去分の勤労者積立基金(FGTS)の支払い義務が課されると伝えている。
「UOL」によると被害者が受け取る補償金額は約6万レアル(約60万円相当)とのこと。
長年にわたり孤立と権利の剥奪を強いられてきた女性は、救出後、家族のもとに身を寄せ、社会支援を受け始めた。連邦警察は捜査を続行している。「アジェンシア・ブラジル」によると、労働検察庁(MPT)は雇用主との間で行動調整契約(TAC)を締結し、労働および社会保障上の義務を是正することを定めたほか、被害者に対して生涯にわたる給与の支払いを命じたという。
(文/麻生雅人)




