メルコスール・EU協定で、ブラジルの対欧州輸出の80%以上で関税が撤廃へ
2026年 04月 29日
南米南部共同市場(メルコスール)と欧州連合(EU)の間で締結された通商協定が、今週金曜日(5月1日)に発効し、ブラジルの輸出に直接的な影響を及ぼす見通しだ。ブラジル全国工業連盟(CNI)の試算によると、ブラジルが欧州向けに輸出する製品の8割以上が、この初期段階で輸入関税ゼロの対象となる。
EU側の関税が撤廃されることで、ブラジル企業は大半の製品を欧州市場へ関税なしで販売できるようになり、コスト削減とともに、他国企業との競争力向上が期待される。
この協定により、世界でも有数の自由貿易圏が形成され、7億人を超える市場が結びつくことになる。CNIによれば、工業製品や農産品を含む5,000品目以上のブラジル産品が、協定発効と同時に関税ゼロの対象となる。
<初期段階で2,932品目の関税が撤廃>
現在、ブラジルから欧州市場へ輸出される多くの製品には関税が課されており、最終価格が上昇して競争力が低下する要因となっている。協定の発効により、こうした障壁の撤廃が段階的に始まる。
初期段階で関税が撤廃される2,932品目の内訳は次のとおり。
- 約93%(2,714品目)が工業製品
- 残りは食品関連品目や原材料が含まれる
こうした構成により、特にブラジルの製造業が恩恵を受けるとみられている。世界でも基準が最も厳しく、重要度の高い市場の一つである欧州市場へのアクセスが、より競争力のある条件で可能になるためだ。
<恩恵を受ける主な分野>
今回の関税撤廃で最も大きな恩恵を受けるとみられる分野は次のとおり。
- 機械・設備(2,932品目のうち21.8%)
- 食品(12.5%)
- 金属加工(9.1%)
- 電気機械・電気材料(8.9%)
- 化学製品(8.1%)
機械・設備分野では、ブラジルから欧州向けに輸出される製品のほぼ96%が関税なしで欧州市場に入ることになる。これには、コンプレッサー、産業用ポンプ、機械部品などが含まれる。
食品分野でも数百品目が関税ゼロの対象となり、ブラジル産食品が欧州市場で存在感を拡大する余地が広がる。
今回の協定は、ブラジルの商業的な到達範囲を大幅に拡大する点で戦略的な意味を持つと評価されている。現在、ブラジルが通商協定を結んでいる国々は、世界全体の輸入の約9%にとどまるが、欧州連合(EU)が加わることで、この割合は37%超へと跳ね上がる可能性がある。
さらに、この協定は企業にとっての予見可能性を高める効果もある。貿易、政府調達、技術基準に関する明確なルールが定められることで、企業活動の安定性が増すとされている。
<段階的な実施>
即時の影響は大きいものの、すべての製品が一度に関税ゼロとなるわけではない。
国内産業への影響が大きいとされる品目については、関税撤廃が段階的に進められる。
- 欧州連合(EU)側は最長10年
- メルコスル側は最長15年
- 新技術など特定のケースでは、撤廃期間が30年に達する可能性もある
<今後の手続き>
今回の発効は、協定の実施プロセスの始まりにすぎない。ブラジル政府は今後、メルコスール加盟国間での輸出枠(クオータ)の配分方法など、詳細な規則を定める必要がある。
また、両ブロックの企業団体は、協定の運用状況をフォローし、企業が新たな商機を活用できるよう支援するための委員会を設置する見通しだ。
(記事提供/Fotos Públicas、構成/麻生雅人)




