先住民に8,300基の浄水フィルター配布される。アマゾンと中西部で3万3千人が恩恵
2025年 12月 4日
ブラジル保健省の取り組みにより、法定アマゾン地域および中西部地域に暮らす先住民約3万3千人が、安全な飲料水を確保する環境が整うようになる。対象は23の特別先住民保健地区(DSEI)に及ぶ。
同省は、NGOアグア・エ・ヴィーダとアロック財団との協力のもと、深刻な水不足に直面する家庭に対し、ナノテクノロジーを用いた浄水フィルター8,300基以上を配布した。特に厳しい乾季において水質の確保が困難となる状況を改善するのが狙いで、下痢やジアルジア症(寄生虫による感染症)など、水を介して広がる感染症の原因となる病原体を除去できる技術が導入されている。
先住民保健局のウェイベ・タペバ局長は、この施策が連邦政府の水資源安全保障と先住民保護への取り組みを強化するものだと強調した。タペバ局長によると、この取り組みは危機的状況下でも飲料水の確保を保証して、疾病予防と基本的なケア環境の維持を可能にするための努力の結集だという。
さらに同局長は、適切な技術の活用と継続的なモニタリングの重要性を指摘して、現場の実情に沿った迅速な対応を可能にする仕組みだと説明した。
配布されたフィルターは簡単に設置することができ、バケツやペットボトルに取り付けて使用することが可能。1分間に最大800ミリリットル、1日あたり60~100リットルを浄化できる性能を持つ。膜の孔径は0.1マイクロメートルで、下痢、赤痢、ジアルジア症、腸管感染症の原因となる微生物や、ロタウイルス、ノロウイルスなどを除去することができる。各家庭に対し、機器の設置や維持管理に関する説明も併せて行われた。
各フィルターの性能は、QRコードを読み取って位置情報付きの報告書を作成するスマートフォン用アプリを通じて追跡される。収集される情報には、水質データ、健康への影響、支援を受けた家庭の社会・環境指標が含まれる。
マナウス特別先住民保健地区(DSEI Manaus、アマゾナス州)では、ムラ族のムルチンガ集落の家族がナノテクノロジー浄水フィルターの使用方法について研修を受けた。最初の機器は同集落の家庭に届けられた。
先住民保健地区評議会(Condise)の代表であるウォリス・ムラ評議員は、フィルターの到着が「非常に適切なタイミングだった」と述べた。
「最近、子どもや高齢者の間で下痢や嘔吐の症例が発生しました。フィルターの導入によって、こうした症例が減ることを期待しています。私たちの親族や家族にとって、とても重要なプロジェクトです」と語った。
先住民保健局の環境要因プロジェクト部門のブルーノ・カンタレラ局長は、フィルターによって小川、河川、湖から採取した水がより安全に使えるようになり、特に乾季には水質に起因する汚染リスクを減らせると説明した。
保健省によると、これらの機器は水資源が最も制限される時期に、飲用に適した水を確保する助けとなるという。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




