ブラジルの研究機関が、軍事政権時代に追放された科学者に名誉研究員の称号を授与

2026年 08月 6日

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軍事独裁政権下の1970年、オズヴァウド・クルス財団(Fiocruz)の9名の科学者が政治的権利を剥奪された(写真:Acervo Fiocruz)

【リオデジャネイロ 8月5日】 ブラジルのオズヴァウド・クルス財団(Fiocruz)は8月5日(水)、軍事独裁政権下の1970年に政治的権利を剥奪された同財団所属の科学者9名に対し、名誉研究員の称号を授与した。当時の事件は「マンギーニョスのキャリア抹殺事件」として知られている(注:マンギーニョスは財団の所在地区名)。

顕彰式は、8月5日の「国民健康の日」に合わせて行われた。この日は、Fiocruzの精神的支柱であり第2代総裁でもある医師・公衆衛生学者オズヴァウド・クルスの誕生日でもある。

式典はリオデジャネイロのFiocruz本部にある「ムリスコ城」の階段で行われた。ここは、40年前、セルジオ・アロウカ総裁の時代に追放された職員たちが復職した場所でもある。

名誉研究員の称号を授与された9名は以下の通り。

アウグスト・シジ・ジ・メロ・ペリッセ、チト・アルコヴェルジ・ジ・アウブケルキ・カヴァウカンチ、ハイチ・ムサシェ、フェルナンド・ブラーガ・ウバトゥーバ、モアシール・ヴァス・ジ・アンドラージ、ウーゴ・ジ・ソウザ・ロペス、マサオ・ゴトウ、セバスチアン・ジョゼー・ジ・オリヴェイラ、ドミンゴス・アルトゥール・マシャード・フィーリョ。

また、1970年に同様に追放され、2004年にすでにFiocruzの名誉研究員となっていたヘルマン・レントの遺族にも、象徴的な形で称号が手渡された。

<科学と民主主義>

Fiocruzのマリオ・モレイラ総裁は、研究者らが軍政下の制度的措置「AI-5」によって財団から追放され、さらに「AI-10」によって他の公的機関での職務に就くことも禁じられたことを振り返った。彼らが財団に復帰したのは、民主化が進み始めた1986年のことだった。

モレイラ総裁はアジェンシア・ブラジルに対し、「私たちは、追放された研究者を再統合するという非常に強い政治的行為を行いました。それは象徴的な意味を持ち、当時の私たちは、こうした行為によって専制的な政府の危険を遠ざけられると信じていたのです」と語った。

総裁は、こうした記憶を保存し、科学と民主主義の擁護といった価値を改めて確認することが重要な時期だと強調した。

「今日に至るまで私たちを取り巻く否定主義や“フェイクニュース”に対抗するためにも、科学こそが民主主義の基盤であることを再確認し、国が、より公正で公平な形で発展できるようにする必要があります」。

モレイラ総裁は、今回の顕彰を受けた研究者らが当時のブラジル科学に重要な役割を果たし、当時の大きな公衆衛生上の課題に関する知識を生み出してきたと述べた。また、大学院教育などを通じて後進の育成にも大きく貢献したと評価した。

「フィオクルスが長い年月をかけて、保健分野の科学技術機関として卓越した存在へと成長してきたのは、彼らが築き、そして今も続けている仕事のおかげです」。

式典では、財団の象徴的人物であるオズヴァウド・クルスの息子で、ブラジル科学振興協会(SBPC)の創設メンバーの一人でもあるヴァウテル・オズヴァウド・クルスにも名誉研究員の称号が授与された。

また、式典のプログラムには、サンタ・ウルスラ大学のマドレ・マリア・ジ・ファティマ総長への顕彰も含まれていた。彼女の支援により、ヘルマン・レント、ドミンゴス・アルトゥール・マシャード・フィーリョ、ウーゴ・ジ・ソウザ・ロペスら、追放された科学者たちが教壇に立ち続けることが可能になった。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)