「どうしたブラジル!  チリ、素晴らしい戦い、おめでとう!」

2014年 06月 29日

ブラジル対チリ

さて、この日のブラジル、先発はレギュラーメンバーからボランチのパウリーニョがフェルナンジーニョに代わっていた。

レギュラーナンバーの5番をもらっているフェルナンジーニョは、前試合のカメルーン戦で途中出場し、ゴールも決めるなかなかの活躍をしていたので、この変更には納得だ。

さて試合が始まり、チリのあまりのプレッシャーの激しさに圧倒された。

ブラジルの選手がボールを持つと3人ぐらいがボールを奪いに来る。まるで蟻が甘い餌にたかるような感じである。それがものすごいスピードで来るので、ブラジル人選手は自分たちの間合い、ペースでサッカーをさせてもらえないでいた。

そんな中でも、ブラジルも何とかゲームを作り、ネイマールのCKから相手DFのオウンゴール気味だったが、DFダヴィド・ルイスのゴールで先制点を奪うことができた。これは、ブラジルにとってとても大きな1点になると思われた。

しかし、ブラジルのミスからチリのエース、アレクシス・サンチェスに決められてしまった。1-1だ。

その後も、前半は一進一退の勝負だった。

後半に入り、ブラジルはまったくボールを奪えなくなった。前半よりもチリのプレッシングサッカーが冴えだした。

ルーズボールは拾えない、ボールはキープできない。まるで、2011年のクラブW杯の決勝、サントス対バルセロナ戦を見ているようだった。あのときのサントスは、激しいプレッシングに何もすることができなかった。そこまでひどくはないが、これはかなりまずいと思いながら見ていた(次ページへつづく)。

(文/コウトク、写真/Marcello Casal Jr/Agência Brasil)
6月28日、ミネイラォンでのブラジル対チリ戦

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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